ウィン・リゾーツ、オーストラリアのクラウン買収を検討

ウィン・リゾーツは、オーストラリアのIR事業者であるクラウン・リゾーツ(Crown Resorts)を、現金および株式合わせて71億ドル(約7900億円)での買収に向けて大きく動いている。

クラウン・リゾーツがウィンからの接触を確認した9日、オーストリア証券取引所ではクラウン・リゾーツの株価が20%上昇した。

現時点ではクラウンの取締役会は買収に関して議論しておらず、取引の詳細は決まっていない。また、複数な要件を満たす必要はあり、今後は背面調査、規制当局の承認およびクラウン取締役会の推薦などが必要になってくる。

クラウンはプレスリリースで「クラウンとウィンの協議は初期段階であり、両社は取引の形態、額面や条件などに関しては合意に至っていない」とコメントしている。

ユニオン・ゲーミングのアナリストによると、ウィンの方向転換の目的は「防衛」だという。「個別の取引としては増加性のシナリオを簡単に計算できますが、今回の動きはウィンにとってはさらに大きい戦略の一部に過ぎず、防衛が真の狙いです」と同社あなたのジョン・デクリー氏(John DeCree)が分析する。「ウィンのラスベガスとマカオは引く手あまたの資産である。」

買収が成立した場合、クラウンとしては2年前にメルコとの共同事業を解消してから弱まっているマカオ市場とのパイプが復活する。また、中国とのコネクションを強化することにより、シドニーで建設中のアジアのVIP層をターゲットにた超高級リゾートにも好影響をもたらす可能性がある。(AGB)