ナガコープ、賃金紛争めぐり組合反発に直面

香港に上場しているナガコープ(NagaCorp)は賃金紛争中に労働組合幹部を解雇し、労働権団体からの非難が集まっていると日経アジア・レビューが報道した。

労働組合はホテルとゲーミング事業のスタッフ賃金を引き上げを請願している。現在191米ドルから230米ドル(約2万円から2万4600円)のホテル部門の基本月給を、300米ドル(約3万2000円)への引き上げを求め、ゲーミング部門でも現在230米ドルから370米ドル(約2万4600円から3万9500円)の基本月給を500米ドル(約5万3500円)への引き上げも要求されている。

しかし、組合長のチヒム・シタール氏(Chhim Sithar)が先月解任されたことにより状況はさらに緊迫している。

シタール氏はクメール語で「会社は成長している、労働者には生活賃金が必要」と記されたTシャツを配っていた。警備員が従業員から配られたTシャツを押収しようとしたところにシタール氏が介入し、その後停職処分となりった。結果、24の組合と市民社会グループによる停職を非難する共同声明が出された。

組合団体は、カンボジアの労働法には「正当な理由なしに」停職することは禁じられており、組合幹部としての基本的権利を行使していたに過ぎないとコメントしている。

シタール氏は日経アジアン・レビューに、賃金の上昇が労働者の生活費の上昇に追いついていない点に触れ、また、従業員は祝日勤務を任意扱いにしたいと要求も付け足した。「多くの収入を得て労働者の賃金を低くすること、これは搾取と呼びます」とシタール氏は説明した。

組合は、国の仲裁委員会で解決策を模索する予定であるが、その手段が失敗した場合にはストライキを行う用意があると忠告している。(AGB)