マカオのゲーミング収入、従来の予想を下回り12.1%の上昇に留まる

5月のマカオの総ゲーミング収入(Gross Gaming Revenue = GGR)は12.1%上昇となり予想を下回る結果となったほか、6月はロシアで開催されるFIFAワールドカップ大会の影響を受けさらに減退すると予想される。

ゲーミング規制当局(Gaming Inspection and Coordination Bureau)によると、5月の売上高は255億パタカ(約3442億円)であった。同局は、毎月の報告書でVIPとマス消費者間の収入内訳を提供していない。アナリストは当初約17%の伸びを見込んでいた。

ユニオン・ゲーミング(Union Gaming)のアナリスト、グラント・ゴバートセン氏(Grant Govertsen)は、GGRが24%上昇した前年と比較すると、5月は特に厳しい時期だったと述べた。同月は1日の祝日から勢いよく始まったが、収入の成長スピードは逓減してしまったという。

ゴバートセン氏は、ジャンケット側の情報をもとに、VIPセクターでは約17%の収入増加があったとし、マス消費者セクターにおける収入低下の影響が大きかったことを示唆した。
ユニオン・ゲーミングは、第二四半期のGGRを20%から18%へ予測を修正している。つまり、6月のGGRが15%程度になると見込んでいる。

「当社は、2018年通年でのGGR成長率の予測を17%から変更するつもりはない。これは、毎月平均で261億パタカ(約3523億円)の収入を得ることで達成可能な数値である。」と同社は語った。

バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)は、6月のGGRについて前年比約14%~16%の伸びを予想している。「6月14日から7月15日まで開催されるワールドカップは、今年のGGRの成長に向かい風となる可能性もあります。2010年と2014年ではそれぞれ6月のGGRが前月比で20%と16%の減少となった例があります。」(AGB)