北海道IRショーケースで事業者と地域社会を繋ぐ

北海道IRショーケースが札幌市内のアクセスサッポロで先週開催され、カジノ事業者7社および日本の企業や団体などが多数が参加した北海道での初のIR展示会となった。9日の朝、苫小牧の岩倉博文市長と留寿都の場谷常八村長による盛大なテープカットからイベントは開始された。

ハードロック・インターナショナルは音楽業界の記念品やプロジェクションマッピング部屋などを準備し、チアダンサーや物真似ダンサーなどがパフォーマンスを行い派手な展示エリアとなった。今回は同社の「マスタープラン」を発表し、北海道でのIRのビルモデルも展示された。北海道コンサドーレ札幌の野々村芳和社長も訪れ、ハードロック会長のジム・アレン氏(Jim Allen)による北海道震災復興支援のため10万ドル(約1085万円)の寄付を受け取った。

シーザーズ・エンターテインメントは日本ではブランドイメージとなりつつあるユニークな展エリアを持ち、音楽ライブやコンサートなどを筆頭にエンターテインメント色を強調した。日本へのの投資には限度は無いメッセージからはブレることなく、北海道に特化したメッセージとしては同社の国際開発プレジデントのスティーブン・タイト氏(Steven Tight)は周辺地域の環境保護に積極的に取り組むと発表した。

メルコリゾーツ&エンターテインメントは同社会長のローレンス・ホー氏(Lawrence Ho)が掲げるラグジュアリーとエンターテインメントを軸に、大小問わずパートナーシップを成功させてきた実績を強調した。メルコ・ジャパン事業開発ディレクターの熊谷峻平氏のプレゼンテーションでは更に先進的な雇用イニシアティブを説明し、従業員満足度の例として「マカオ政府の期間中評価ではメルコリゾーツは第1位の雇用者としての評価を受けました」と述べた。

SJMホールディングスの最高執行役員補佐のアーナルド・ホー氏(Arnaldo Ho)は中国観光客のネットワークと飲食業での実績を同社の強みとして挙げた。マカオでミシュランの3つ星レストランは3軒あるなか、2軒はSJMの施設内の店舗である。また同社のIRが北海道の豊かな食材を活かす飲食業の発展の拠点になる願いも語った。

モヒガン・ゲーミング&エンターテインメント(Mohegan Gaming & Entertainment)は韓国・仁川で2022年オープン予定のIRブランド「インスパイア(Inspire)」を前面に出した。コーポレートファイナンス担当シニアバイスプレジデントのクリストファー・ジョーンズ氏(Christopher Jones)は同IRが「完成後、北アジア地域最大のIRとなります」と述べた。ジョーンズ氏はまた、日本のIRに先駆けて開業するインスパイアの顧客データベースは、日本政府のIR開業において大きな目標である訪日客増加に非常に役立つと考えている。

ラッシュ・ストリート・ジャパンは不動産や大型開発プロジェクトの経験に重点と置いた。新しい取り組みとして最高財務責任者のティム・ドレフコフ氏(Tim Drehkoff)は地域住民や企業の意見やアイディアを直接事業者に届けることが可能になる「My Tomakomai」のウエブ型プラットフォームを紹介した。

日本の企業では、共同印刷のブランドである「Tomowel」がスマホ用支払いアプリのデモを展示していた。遊技機メーカーとして知られる平和はバーチャルゴルフのセットを持ち込み、訪問者は実際にボールを打つ体験を出来るブースを設置した。大手電機メーカーのNECは顔認証システムのデモを行い、空港、交通、IRなど今まで個々に行っていた顔認証セキュリティーのネットワークを一つのネットワークとして繋げる試みを発表した。(AGB Nippon)