吉村と松井、大阪で強い立場へ

吉村洋文氏、松井一郎氏と大阪維新の会による選挙勝利は見事だったが、完勝とは言えない。しかし、IR開発の問題においては立場が強い。

吉村氏と松井氏のダブル当選は別として、大阪維新の会は府議選(定数88)で圧勝を収めた。40議席から51議席になったことにより単独過半数を確保した。

これで府議会が大阪府のIR入札や夢洲IR計画の枷となる懸念がなくなるでしょう。

大阪維新の会が完勝に至らなかったのは大阪市議選(定数83)だった。大阪維新の会の議席が5議席増えたものの、40議席では過半数を獲得出来ないため、規制条例を実地する場合などは他の党もしくは無党派の支持が必要となる。

しかし、IR実施法ではIR開発を後押しするには市議会による公式承認が不要である。公明党には大阪維新の会の勝利が民意であると認める者がいるため、議論によっては公明党が以前より協力的なスタンスをとる可能性がある。

また、大阪のビジネス界は夢洲の開発を広く支持しているので、主な反対派である自由民主党などに影響力と持つと考えられる。最も反対されるのはIR開発ではなく、大阪維新の会の大阪都構想であるかもしれない。

最終的には、吉村氏と松井氏が任期を満了する限り、大阪はこれから4年間にかけて、夢洲の開発とIRライセンス取得に向けて全力を注ぐ自治体である。(AGB Nippon)