市長候補、静岡市IR誘致を支持

立候補を表明した天野進吾氏は、政治的支持を集める手段としてIR誘致の構想を提案しているという異色なやり方で静岡市長選に参戦した。

過去にはっきりとIRの支持を示したり、選挙が間近になるとIR支持を控えめにしたりする現職の知事・市長はいたが、IR賛成派候補が現職者の落選に挑むのが初めてのことであるかもしれない。

有力な候補である天野氏は長きにわたる保守派の県議会議員であり、1987~1994年に静岡市長をして努める経歴を持つ。3選を目指す現職の田辺信宏市長が選挙の強敵だと考えられるが、共産党系の市民団体からの出馬も表明されている。知事選挙は4月7日に行われる。

静岡の現状について天野氏は「行政も市民も沈没している。どうしてそうなったのか。行政の力で町を再興し、元気な町・静岡をつくってみたい。日本平をはじめとする地域を活性化したい」と語った。

日本平は静岡市にある台地であり、富士山とその周辺の景色を望む景勝地として知られている。観光振興に長く携わってきた天野氏は、数年前から日本平でのIR開発を唱えている。

また、今年初めにゲンティン・グループ(Genting Group)が地方自治体の協力により静岡でのIR開発の可能性を調査していると示唆する報道が現地メディアから出ている。(AGB Nippon)