静岡県牧之原市、IR誘致の可能性

メディアの目の届かないところで、人口4万4000人の沿海地方の静岡県牧之原市が近い将来にIR誘致競争に参加する兆候がみられている。

最初にIR計画の存在を匂わせたのは、ゲット・ナイス・ホールディングス社(Get Nice Holdings Limited)が香港証券取引所への報告で同社の子会社であるジニアス・ワイズ・ホールディングス(Genius Wide Holdings)と昭徳リナルド株式会社という会社との合併事業を発表する了解覚書だった。

報告では、「この了解覚書は、静岡県牧之原市での統合型リゾートライセンスの取得し、統合型リゾートの開発を目標とする当事者間で合併事業を設立するためのものである。IR開発計画は40万平方メートルの床面積で、ホテル、カジノ、レストラン、販売店、エンターテインメント、会議施設が含まれる」となっている。

また、この報告では合併事業がすでに現地での地位を確保してると思わせる内容もあり、「牧之原市統合型リゾート事業者選定委員会は、2018年10月3日に昭徳リナルド株式会社に確認書を正式に発行した。昭徳リナルド株式会社は、カジノ事業を含む牧之原市IR計画を日本国政府へ提出できる唯一の指名された候補者である」と書かれている。

合併事業の株を所有しているのはすずき・たもつ氏、ほしかわ・ようこ氏、ルン・ホン・ルイ氏(Lung Hon Lui)の3名である。

報告によると、昭徳リナルド株式会社とその保有者は「日本で医療、医療機器、農業製品、アジア地域でのゲーミング事業に長く携わっている。昭徳リナルド株式会社は、日本でリゾートを運営する許可と承認を目指している」と評価されている。

日本語で公開されている情報によると、昭徳リナルド株式会社が2000万円の資本金で2018年の8月に横浜市で設立された。8月とは、牧之原市の委員会との合意が成立したとされる日付の数ヶ月前である。鈴木保氏は、会社の代表者となっているが、現時点ではホームページや電話番号は公開されていない。

また、「IR事業開発 – 牧之原市統合型リゾート事業者選定委員会!」というホームページの存在が香港証券取引所への報告の信憑性をさらに高める。

ホームページがほとんど非公開になっているとはいえ、委員会の会長が楠田高佳氏という人物だと確認できる映像がある。この楠田氏は、牧之原市の南遠化工株式会社という会社の専務である。

牧之原市のIR誘致が現実となれば、IR施設が地震・台風・津波などの災害時に避難所という役目を果たせることに注目を集めると考えられる。また、牧之原市の委員会はIRの開発が2000~3000人の雇用を生み出すと予想している。

また、昭徳リナルド株式会社がすでに牧之原市のIRオペレーターとして選定されているということが委員会のホームページで確認できる。

牧之原市のIR委員会は事業家の民間グループであると思われる。AGB Nipponの問い合わせは成果を生まなかったので、委員会が地方自治体に支持されているかどうかは不明である。

静岡県の川勝平太知事は、1月4日の年頭会見でこの話題に軽く触れていた。地元団体が望めば率先してもらっても異論はないが、積極的にIR誘致を目指さないという姿勢を示していた。(AGB Nippon)