G2Eラスベガス、日本からの出展社と参加者も多数

今年のグローバル・ゲーミング・エキスポ(Global Gaming Expo = G2E)がラスベガスのサンズ・エキスポ(Sands Expo)で開催され、盛況を博した。アメリカ・ゲーミング協会(American Gaming Association = AGA)とリード・エグジビションズ(Reed Exhibitions)の主催で毎年行われるこのイベントには、450以上の企業が出展し、100ヵ国以上から2万人を超える来場者が訪れている。

コナミ(Konami)、アルゼ・ゲーミング(Aruze Gaming)をはじめ、日本を代表するゲーム会社も自社のブースを通して最新の製品を紹介した。ひと際注目を集めたのが、アルゼ・ゲーミングのロール・トゥ・ウィン・クラップス(Roll to Win Craps)というゲームであった。この全デジタル式の電子テーブル・ゲームは盤面が全て液晶であり、レーザー効果など魅力的な演出がプレーヤーの目を引く。更に運営者にとってより効率的なクラップスのテーブルとして活躍する。ゲームのプレーヤーとカジノの運営者の両方を意識したこのような製品の登場は、革新的な技術はゲーム体験を向上させるだけではなくカジノ運営者の効率を考慮し始めている証拠である。

日本のゲーム大手であるバンダイナムコ(Bandai Namco)は、新しいスロット・ゲームやスキル・ゲームに人気の高いパックマンやギャラガのIPをカジノ製品に採用し、アインズワース(Ainsworth)やガンブリット(Gamblit)などとの協力関係をもとに新しいカジノゲームを出展した。レトロな雰囲気を出していたのはネクスト・ゲーミング(Next Gaming)が展示したタイトー(Taito)のIPを使用したパズル・ボブルやアルカノイドのスキル・ゲームであった。

カジノ業界では周知の事実ではあるが、日本の企業はカジノ用の周辺機器市場では大きなシェアを誇っている。専門分野の市場リーダーであるJCMやエンジェル・プレーイング・カード(Angel Playing Cards)を筆頭に、マツイ・アメリカやNEC、富士通、三共の北米法人なども今年のG2Eに出展していた。

今年のG2EではAGAとリード・エグジビションが初の試みとして、アジアからの公式代表団に向けた特別パッケージを提供した。代表団の企業幹部たちは、地元のカジノやG2Eの会場をめぐるツアーに参加し、更に日本のIR市場のエキスパートのセミナーにも出席した。同セミナーでは、大阪商業大学の学長である谷岡一郎教授による「日本における統合型リゾート(IR)市場の最新情報」に関する講演を皮切りに始められた。大阪大商大学は日本における統合型リゾート(IR)やカジノ運営の研究の分野で主導的な役割を果たしている。

更に、アルファスロット(Alphaslot)の國領城児氏による「日本のカジノフロアの考察」をテーマとするプレゼンテーションで幕を閉じた。アルファスロットはブロックチェーン技術などの革新的な技術とゲーミングとの組み込みを目指す専門技術者とカジノ業界のベテランで構成されたチームである。来場者たちは最後に、AGAの会長が主催するレセプション・パーティに出席してその日を締めくくった。

アメリカのゲーミング市場は新興のスポーツベット事業に照準を合わせているが、日本はまだ自国のIR市場の規制、場所、および被許諾者について決断を下す初期段階にある。G2Eなどの機会を利用すれば、他のIR市場を体験し、市場傾向の原因と結果を直接目にすることができる。日本の企業も、IR事業の基本を把握しておけば、IR運営者が地元パートナーを探す際に自分たちを有利に売り込むことが可能となるであろう。(AGB Nippon)