SJM取締役会の権力争いでパンジー・ホーが動く

先週水曜日、フォク・ファウンデーション(Fok Foundation)、スタンレー・ホー氏(Stanley Ho)が所有するシュン・タク・ホールディングス(Shun Tak Holdings)、そしてパンジー・ホー氏(Pansy Ho)が所有する3つの企業との間で提携を結んだ。これは、マカオ観光娯楽会社(STDMグループ)およびSJMホールディングスに関する「基本目標の推進」を目的とした提携であり、狙いとしてはパンジー・ホーがマカオの大手カジノライセンス保有者であるSJMでの地位を強化するための策として見られている。一行は提携を結ぶことでSJMホールディングスの54%を所有するSTDMの53%の株式所有者になる。

特に注目に値する点は、SJM取締役会の共同議長で同社の8%の所有者であるアンジェラ・リョン氏(Angela Leong)が含まれていないことである。日本市場においてSJMホールディングスの顔として活動しているアーナルド・ホー氏(Arnaldo Ho)はリョン氏の息子であり、同社の日本に対する戦略に変化がみられる可能性がある。

シュンタク・ホールディングスが公開した香港証券取引所への申告によると、今回の合意は長年の協議を末、多くの目的に対する方向性に同意した結果であると説明した。

最も重要な二つの目的としては、2020年に控えているSJMホールディングスのマカオゲーミング利権の更新申請、そしてSTDMをSJMホールディングスの過半数所有者としての地位を維持すること。また、議長および共同議長を含む取締役会メンバーの選挙を通じて、「SJMの効果的で優れたガバナンスの獲得」を約束した。

このニュースを受けて、ドイツ銀行のリサーチアナリストであるカレン・タング氏(Karen Tang)は、SJMの取締役会および上級管理職、すなわちアンジェラ・レオンが会長に再選されないこと、ならびにCEOおよびCOOが変更される可能性があると述べた。「取締役会および上級管理職の大幅な変更は、同社が大規模な総合リゾートをオープンを予定しており、マカオ政府との利権延長を交渉中である今、運営上のリスクが生じる可能性があります」とタン氏は忠告した。しかし、タン氏は、多くの投資家がこれを同社がより良い経営とガバナンスをもって前進する準備ができていることの兆候として捉えることも出来ると付け加えた。(AGB)