インド・ゴア州のカジノ、規制監督の欠如が悩みの種

日本ではIRのあり方や規定などは慎重に進められていながから、インドのゴア州では規制監督の欠如が悩みの種になっている。

面積ではインド最小であるゴア州の地域経済は、完全規制されていないカジノ産業のおかげで、インドの中流階級の増加に伴う恩恵を享受してきた。しかしカジノでのギャンブルの潜在的な悪影響を軽減すべく規制上の監督が必要であると。

南ゴアのロサリ商業/文学カレッジ(Rosary College of Commerce and Arts)の社会学担当准教授であるアフォンソ・ボテルホ博士(Dr. Afonso Botelho)が著した研究白書では、数々の事項でマカオやラスベガスとの比較が行われているが、結論としては、「潜在的にマイナスの外的因子」を抑制する目的で国内のカジノを規制する当局を設置するよう政府に求めている。

「カジノはゴアに強く根付いていて、年々、カジノの勢いを増す流れを断ち切るのはますます難しくなってきています。オフショアのカジノはパナジ(Panaji)の風景とほぼ一体化しており、カジノ抜きでパナジやマンドビ川(The River Mandovi)をイメージするのはほとんど不可能となっています」と、同教授は話している。

「ゴアの住民はカジノ開発による潜在的にマイナスの外的因子を認識していて、必要な防御措置にてそういった要素を封じ込めて欲しいと考えています。カジノ規制規制当局またはゲーミング委員会の設置は絶対的に必要であり、早期に設置するほど、その効果は高くなることでしょう」と、ボテルホ氏は述べている。

さらに、同研究では、ギャンブル問題縮減にあたっての責務を政府やカジノ運営業者に対して課すことを提言している。

「政府がカジノ関連の職に従事する人たちの年齢制限を引き上げることでカジノに対する規制力を強め、結果、学校や大学の中退者の抑制、政府による総合的なマスタープラン導入につなげるようにすることが不可欠です…」と、ボテルホ博士は同著の中で指摘している。

また、同研究は地元民によるカジノ施設への立入禁止、もしくは地元民による入場料の引き上げを支持している。(AGB)