世界のカジノ業界、日本人観光客

バルセロナで行われたワールド・ゲーミング・エグゼクティブ・サミット(World Gaming Executive Summit)の委員会の運営担当者たちは、日本ではパチンコなどのギャンブル傾向がみられるが、多くの日本人観光客には、アジアの華やかなIRと世界中のカジノが魅力には映っていないと述べた。

世界のカジノの運営者たちは、ギャンブルを好む富裕層の多い日本に魅力を感じることから、注目されている日本でのIRライセンスの取得に苦戦を強いられている。日本にはパチンコ屋が至る所に存在し、業績はさがりつつあるものの、年間で約22兆円がパチンコ屋で使われているとみられている。

ただし、日本人観光客は、中国などではなく、ギャンブルが合法である国に行ってもカジノには訪れないようだ。

フォルトゥーナ・インベストメント(Fortuna Investments)の役員兼シルバー・ヘリテージ・グループ(Silver Heritage Group)の共同創立者であるティム・シェパード氏(Tim Shepherd)は「日本人はギャンブルを好む傾向にありますが、アジアのカジノではあまり姿が見えません」と話している。「これは、この業界のあらゆる人々にとって興味深い課題となるでしょう」。

日本政府観光局によると、今年5か月では、740万人の日本人が海外旅行に出かけているという。5月だけでも、韓国への旅行者が42%上昇し、香港への旅行者は7.8%上昇した。アジアの主要なギャンブル目的の旅行先となっているマカオについては、同月の日本人旅行者数は低下している。

英国のランク・グループ(Rank Group)の戦略・コーポレート開発のグループ役員でマカオのギャラクシー・エンターテイメント(Galaxy Entertainment)の元重役であるポール・リチャードソン氏(Paul Richardson)は「日本人は中国人ほどギャンブル目的でやってきません」と話した。

ロンドンのリッツ・クラブ(The Ritz Club)のCEOロジャー・マリス氏(Roger Marris)は、大量の消費を行う日本の人々で、高所得者向けの施設に魅力を感じる人はほとんどいないことに同意している。この業界に対する日本人の欠如は、テーブルゲームということになると、教育や情報が行き届いていないためだと説明できる。このようなギャンブルは、アジアの多くでは主要なエンターテインメントとなっている。ただし、このような状況は、討議中である日本の今後のIRでのサービス提供を微調整し、日本人に最も親しみのあるような要素をいくつか取り入れるべきと考えることもできる。(AGB)