マカオのマスマーケットとVIPの成長が生む効果

利益の増大は、カジノ運営側にとって吉報である。しかし、収益がいわゆるマスマーケットギャンブラーとVIP間で分けられる仕組みにより、純利益に大きな違いが生まれている。

このような収益の分け目は、ゲーミングアナリストによって密接に監視されている。VIPはより多く浪費するが、このようなギャンブラーを招くため、運営側がジャンケット業者として知られるエージェントのガイドを利用する。このようなVIPには無償でホテルの豪華客室や飲食などのサービスが提供される。そのため、VIPギャンブラーは主要な収益源ではあるものの、彼らによって生じる出費も多く、利益率が低下する。

マカオの第2四半期では、マスマーケットがギャンブルの粗利益成長の主要推進力となった。これはVIPの14%に比べ、21%であった。このような状況は、VIPマーケットが先導していた過去数四半期から変化した。

ユニオン・ゲーミング(Union Gaming)は「またしても、マスマーケットが第2四半期で成長を見せたことは、運営側にとって吉報です。この市場は回復の支えとなっていますし、政治の風向きにも、それほど繊細ではありません」というコメントを残している。「例の壮大な高速成長を見せているVIPも、想定以上の上昇を見せています。また、それでも貿易戦争による飛び火の恐れがあるにもかかわらず、このような成長を見せていることこそ、マカオの評価が依然として上昇傾向である理由です」。

マカオの41件のカジノは2017年の粗利益において2657億パタカ(約3兆6530億円)を生み出した。これは、ラスベガス・ストリップのカジノの2倍近くにもなる。 (AGB)