ゲンティン、手形償却で第3四半期損失へ

ゲンティン・マレーシアは、マシュピー・ワンパノアグ部族(Mashpee Wampanoag)が米国マサチューセッツ州のカジノ計画のために振り出した手形を償却したことで、第3四半期の損失を計上した。純損失は14億9000万リンギット(約407億円)、前年の営業利益は1億9380万リンギット(約53億円)となった。

メイバンク・キムエン(Maybank Kim Eng)のアナリストのサムエル・イン・シャオ・ヤン氏(Samuel Yin Shao Yang)によると、収益は25億9000万リンギット(約707億円)の14.5%増となり、第3四半期のEBITDA(金利・税金・償却前利益)は過去最高の7億7500万リンギット(約212億円)を記録した。

ゲンティンは、カジノを展開する合意で マシュピー・ワンパノアグ部族の約束手形に4億2630万米ドル(約484億円)を投資した。しかし、アメリカ合衆国内務省の9月の決定では、同部族がインディアン再組織法(Indian Reorganization Act)の土地を信託する条件を満たしていなく、カジノ計画は法的問題に陥っている。

米国、バハマ諸島、英国に展開している同社は、日本のIRライセンスも求めている。

ゲンティンの収益成長は主にマレーシア国内事業によるもので、17億リンギット(約464億円)の26%増となった。マレーシア唯一の合法カジノのリゾーツ・ワールド・ゲンティンは、ゲンティン統合観光計画(Genting Integrated Tourism Plan)による恩恵を受け、新たに整備したアトラクションが訪問者の増加につながっている。

しかし、同グループは計画中の20世紀FOXワールドテーマパークが契約破棄になったため、フォックス・エンターテインメント・グループ(Fox Entertainment Group)と米ウォルト・ディズニー(Walt Disney Company)に起訴を起こしたという。テーマパークは2019年開園される予定で集客力が期待されていた。

現在、ゲンティンはテーマパークの末路についてはコメントを控えている。

また、米国と英国の事業は収益の減少を計上している。

持株会社であるゲンティン(Genting Berhad)は、第3四半期までは建設中のリゾーツワールド・ラスベガスに10億米ドル(約1134億円)を投資していると述べている。メイバンクによると、同リゾートは3000室の規模で2020年には40億米ドル(約4540億円)の設備投資が予想される。(AGB)