ゲンティン・シンガポール、フィリピン・カンボジアと激しい競争

野村ホールディングスによると、ゲンティン・シンガポール(Genting Singapore)は、マス向け市場でフィリピン・カンボジアとの競争激化に直面しているが、経営陣はVIP向け市場では成長の余地はあると考えている模様。

ゲンティンは、回収不能の借金を減らす方針をとりつつ過度に厳格だったクレジット条件を段階的に緩めていくことで、今後のVIP市場の成長を見込んでいるという。

経営陣はアセアンと北アジアの市場で新規および既存顧客をターゲットとしている。「経営陣はクレジット条件をより標準化する余地があると考えてる」と野村が述べた。また、売上債権が2015年の10億シンガポール・ドル(約825億円)以上から1億4000シンガポール・ドル(約116億円)までに減少していることも指摘された。

野村によると、ゲンティン・シンガポールのローリングチップボリュームは今年の1~9月期で24%成長し、マーケットシェアが去年の37%から46%へ上昇した。通期では19%のVIP成長が見込まれている。

しかし、マス向けセクターの見込みはそれほど前向きではない。

「同地域のフィリピン・カンボジアは比較的安い客室と充実した無料サービスを提供できることでマス向け事業は激しい競争と直面している。実績がほぼ横這いになると予想される」。

野村の予想では、2019年9月期通期にてマス向けが10%減少し、マーケットシェアは前年の41%に比較して35%となる。

野村は、インベスターズミーティングのために同オペレーターの経営陣を東京のフォーラムに招待したという。リゾーツワールド・セントーサを経営しているゲンティン・シンガポールは、日本のIRライセンス取得を目指している。(AGB)