堅調な決算結果もシーザーズのプレッシャーは増す

先週21日、予想以上に良い結果を決算報告で発表したシーザーズ・エンターテインメント(Caesars Entertainment)だが、同社の筆頭株主であるキャニオン・パートナーズ(Canyon Partners)がシーザーズの売却を求める投資家カール・アイカーン氏(Carl Icahn)との同意を公表し、シーザーズの将来についての憶測を静める効果はなかった。

シーザーズの決算発表日の翌日、キャニオンは声明で、「キャニオンの現在の見解は、株主価値の観点から、最善策である公売プロセスを求める投票が提案されます」と述べた。同社はシーザーズの株式の10%以上を所有している。

他の株主もまた、会社の所有状況が整理されるまで、現社長兼最高経営責任者のマーク・フリッソーラ氏(Mark Frissora)の後継者を指名しないことをシーザーズに要求している。フリッソーラ氏 は4月末の退社が決定している。

しかし、シーザーズが最終四半期および2018年通年で発表した業績は予想を上回るものであり、概して非常に堅調な結果となった。一部のグループ会社の業績も含め、通年の純売上高は83億9000万ドル(約9290億円)。通年の純利益は、前年の3億6800万ドル(約470億円)の損失から2018年の間に3億300万ドル(約335億円)の利益に改善した。

フリッソーラ氏は、次のように述べています。「シーザーズの堅調な業績は、部分的には労働生産性の向上と2018年には1億4000万米ドル(約155億円)を超えるマーケティング効率の向上によるものです。ラスベガスやインディアナ州などのカジノ施設は好調に推移しましたが、アトランティック・シティでの新しい競合社の影響で一部相殺されました。」

シーザーズは米国内の大手IR事業者だが、マカオ事業を持たない点は主要な競合他社と比較する場合は財政的な観点の障害となっている。決算発表および投資家向け電話カンファレンスでは、韓国、日本などのアジア市場での取り組みは話題として挙がらなかった。(AGB Nippon)