大阪府知事、大阪市長の「入れ替わり選」で夢洲IR計画に新たな展開

昨年12月下旬から見え始めていた政治的不安定性が遂に現実となった。大阪府知事の松井一郎氏と大阪市長の吉村洋文氏は、大阪都構想が直面している政治的混乱に対する不満をあらわにし、それぞれが辞職するとみられている。

松井知事は大阪IRのオペレーター選定プロセスを早急に進めようとしており、IR計画にとってはデリケートな時期である。

今回の騒動で松井知事は市長選に出馬し、吉村市長は知事選に出馬するため、日本のメディアでは「入れ替わり選」と呼ばれている。法律では知事または市長が早期辞任し再選された場合、新たな任期を得るのではなく現在の任期を継続するため、この異例な戦略が立てらている。大阪では、知事選と市長選は今年の11月に予定されていた。

知事選、市長選、府議会選そして市議会選が全て4月7日に行われ、大阪全体の運命を握る選挙戦となる。

現在、大阪維新の会が全てのポジションで優位な立場であるが、全国規模で与党である自民党の勢いも後れを取っておらず、選挙後には大阪政界のねじれ現象が十分起こり得る。

IR計画への影響を最小限に抑えるシナリオは、大阪維新の会が地位を保つことであるが、その場合でも松井氏に代わって吉村氏が新知事となるは気になるとこ。

自民党は一度俳優の辰巳琢郎氏を知事選候補として要請したが、辰巳氏が出馬を断った。

しかし、夢洲IR計画にとって朗報もある。まずは、大阪維新の会と対抗する力量があるのは自民党のみで、保守的な政党であり基本的にはIR計画に反対する政治的施策は持っていない。現時点では反カジノ勢力である左派政党が大阪の政権を握る可能性は極めて低い。

次いで、大阪の経済界は夢洲開発計画にコミットしており、現計画の継続を意味する候補者を後押しすることが想定できる。(AGB Nippon)