横浜市長が再選を目指さない可能性浮上

3選を果たしてきた横浜の林文子市長が今年8月29日に任期満了を迎える。今まで林市長は4選を目指す事が既定路線であったが、最近になって出馬しない可能性も出てきた。

この変化の理由は今年1月に入院を繰り返してきた健康状態にある。74歳の林市長は1月の入院以降、いつも通りの活力をみせていないようにもみえる。

12年間も市長として活動しているため、4選を果たした場合は79歳で任期満了となる林市長の出馬に対する意欲が問われる。今後の予定に関しては発言を控えており、本人もまだ決断していない可能性がある。

日本のメディア報道による林市長が出馬を見送る可能性を踏まえて、地元与党がこのシナリオに向けて代わりの候補をたてる話まで出ている。

もちろん横浜市で最も物議を醸しているIR誘致への影響も様々な憶測が飛び交う。もし林市長が政治から身を引くこととなれば、国への区域認定計画の申請期間が始まる10月の直前に新たな市長が誕生することになる。

現時点ではカジノに反対する太田正孝市議のみが出馬表明している。

通常の選挙では現職の候補が知名度の観点から有利な立場にいるため、林市長が出馬しなければ保守側の与党にとっては痛手となる。その反面、林市長の誠実さに欠けるIR政策の進め方は地元住民の反感を招いているの事実であり、新たな候補はこの裏切りイメージが同じレベルで持たれることはないかもしれない。

また、北海道と同じ道を辿る可能性もある。2019年にはIR推進派の高橋はるみ知事の跡を継いだ鈴木直道知事は、同じ与党の推薦を得ながら不人気なIR誘致を見送る結果となった。林市長以外にIR推進を公約に挙げる候補が出馬するとも限らない。

林市長は長く菅義偉首相に政治的な影響を受けてきたとされているため、実は4選の判断は菅首相にかかっているとも言われている。

しかし、菅首相も今は安泰とも言えない状況にいるため、首相の支持率の低さが横浜市長選では野党候補の追い風になる可能性さえある。

それ以外はまだ多く語れないが、様々なシナリオを考察することは出来る。だがしかし、横浜のIRに関心が持つ人には確実に言える事は一つある。それは横浜の政治情勢は不安定な状況にあり、どの方向に進む可能性もある。(AGB Nippon)