岡田和生、権力闘争で苦戦を強いられる

カジノ王の岡田和生氏は、法・事業的な出来事で逆風にもまれる中、自身が創業したゲーミング事業を取り戻す辛辣な戦いで苦戦を強いられている。

法的な面では、息子の知裕氏と娘の裕美氏の間に結ばれた信託契約が有効であると東京地裁が判決を下した。この信託契約により運営権が知裕氏に握られ、父の和生氏が追放されることになった。後に父の和生氏と和解した裕美氏は、信託契約の無効訴訟を起こしたが、契約が有効であるため岡田和生氏の反対派と知裕氏が運営権を握るままである。

裕美氏は、父に促されて東京地裁の判決を控訴することが想定されているが、上級裁判所が判決を覆さない限り、岡田和生氏が運営権を取り戻すことが難しいでしょう。

事業的な面では、ユニバーサル・エンターテインメント傘下のタイガーリゾート・アジア(Tiger Resorts Asia)が持ち株会社のアジアベスト(Asia Best Group International)株の3分の2を買い取ることできたのが現在のユニバーサル経営陣にとって大きな勝利である。この買い取りがフィリピン証券取引所での裏口上場に繋がるとされている。

岡田和生氏がタイガーリゾートの裏口上場を阻むようにフィリピン証券取引所に訴えかけているが、ここでも苦戦しているようである。

アジアベストを支配するために迅速に行動したユニバーサルの経営陣は、杉山健児氏を代表取締役社長に任命し、岡田和生氏の疎遠になった妻である幸子氏を取締役に任命した。

また、フィリピンのパラニャーケ市の裁判は、今年初めに資金300万ドル(約3億2920万円)以上を横領した疑いがあるとして岡田氏に逮捕状を出している。現時点では岡田氏が逮捕を免れている。

岡田和生氏は、2017年に資金を横領した疑いで同族会社の主導権を初めて失った。岡田氏は一貫して無実を主張し、取締役会のクーデターの被害者であると訴えかけている。(AGB Nippon)