一部の競走馬の薬物検査を行った際に筋肉増強剤の徴候があったため岩手県競馬組合(岩手競馬)は先週、一日分の全競走を中断。7月下旬に起きた使用禁止の筋肉増強剤初検出に続く2番目の事件であった。
日本の競馬史上、禁止薬物が原因で競馬が中断されるような事件は過去に一度もなかったとされている。
筋肉増強剤は盛岡競馬場と水沢競走場の別々の場で検出されているが、両施設とも同じ岩手県競馬組合に加入している。
岩手県競馬組合は「当組合のみならず日本の競馬全体の信用失墜につながりかねない極めて重大な事案であると認識するとともに、このことにより、全国のファンの皆様並びに競馬関係者の皆様に対し多大な御迷惑をおかけしましたことについて、心より深くお詫び申し上げます。」と述べた。
対策として岩手県競馬組合は組合に加入している733頭の全競走馬に対して新薬検査を行い、陰性反応が出た馬のみを競走させると断言。さらに再発を防止し原因を特定するべく第三者による調査を実施するとのこと。
今回の2件で検出された筋肉増強剤はボルデノンであった。
レースの中止による経済的損失は3100万円と推定されている。(AGB Nippon)