ある調査によると、ある特定の統合型リゾート(IR)の利用者にその施設に愛着を感じてもらう際に、ゲーミングが貢献する度合いはほぼゼロであるとマカオ・ビジネス(Macau Business)は報じている。
その調査は、観光学研究所(Institute for Tourism Studies)の2人の研究者がマカオへの旅行客500人を対象に行ったアンケートを基にして実施したものである。調査の対象となった者の多くは、中国本土、香港、および台湾をはじめとする中国語圏からの旅行者であった。
「ある特定の場所に愛着を抱いてもらうためにゲーミングは決して大きな役割を果たさないこと。すなわち、カジノリゾートでゲーミングを楽しむことでその場所への愛着が人々の中に育まれることはないことが明らかとなったことはとても興味深い」と、研究者たちは述べている。
その一方で研究者たちは、「『気楽に楽しめる』感覚といった肯定的な感情が、利用者が場所に対する愛着を育む上で最も効果的な要素となる」と結論付けている。
「この調査結果は、カジノリゾートの運営者たちがゲーミング以外にも、利用者にとって心地良い良質のサービスや施設を今後もさらに提供してゆくことに努めるべきであることを示唆している」と、研究者たちは述べている。
この研究論文の正式なタイトルは「カジノリゾートを背景とした観光エクスペリエンスと施設への愛着との関係性(Relationships between Tourism Experiences and Place Attachment in the Context of Casino Resorts)」で、すでに今年、「ホスピタリティと環境事業における品質保証(Journal of Quality Assurance in Hospitality and Tourism)」という刊行物において発表されている。(AGB)