ウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)は、オーストラリアのクラウン・リゾーツ(Crown Resorts)買収を取り下げた。買収の可能性が確認されてから、オーストリア証券取引所ではクラウン・リゾーツの株価がたった一日で20%上昇もした。
取引が合意に至った場合は71億米ドル(約7900億円)の価値のあるものとなっていた。
ラスベガスを拠点とするウィンは9日の声明で「初期段階の協議が時期尚早に公開されたことにより、ウィン・リゾーツはクラウン・リゾーツとの取引に関するすべての協議を中止した」と述べた。
交渉の突然の終結前には、ウィン・クラウンの組み合わせに関してバーンスタイン(Bernstein)のアナリストが慎重ながらも前向きなスタンスをとり「買収が従来のオーガニックグロースに沿わないため、ウィンがクラウンの買収に関心を持つことに当惑するが、メリットが見えないわけではない。中国顧客に対して両社間のシナジー効果があるかもしれない」とのこと。
また、アナリストは「取引は、ウィンが有力な候補者でることを日本に示し、マサチューセッツ州がIRライセンスに厳格な条件をつけるのを再検討するかもしれない」と付け加えた。
ウィンがクラウンとの取引を取り下げたことが報道された後、バーンスタインは「現時点では、取引の更なる協議が再び浮上しないという保証はない」と念を押した。(AGB)