2016年に18人の同僚と共に逮捕されたクラウン・リゾーツ(Crown Resorts)の元従業員は、クラウンが中国を対象に違法ハイローラー振興活動を企んだとして告発したとオーストラリアの現地メディアが報道した。
メルボルンを拠点とするクラウンは、2016年に中国を対象にした違法ギャンブル振興に関わったとして従業員19名が逮捕されたことにより注目を浴びた。事件としてほぼ解決状態だったが、オーストラリアのジ・エイジ紙(The Age)、シドニー・モーニング・ヘラルド紙(Sydney Morning Herald)、ニュース番組のシクスティ・ミニッツ(60 Minutes)の1年にわたる調査によりクラウン・中国問題の新たな事実が披露された。
調査によると、クラウンはアジア系犯罪組織の後ろ盾を持つジャンケット事業者と協力する準備を進めていたことと、何百人の中国人ビサ申請の加速する手助けをしたことが明らかになった。
元クラウン・リゾーツ物流管理人のジェニー・ジアン氏(Jenny Jiang)は、会社が営業スタッフに指定のジャンケット業者を優先し、ハイローラー客の旅を手配する際にマカオじゃなくてオーストラリアを意識させるように言われたと語った。また、中国人の客をオーストラリアに誘致するために豪華な贈答品、「ラッキーマネー」と言われるギャンブル用現金、プライベートジェットや豪華ホテルの無料利用などを提供するように指示されたという。
その中で最も魅力的な餌にされたのがオーストラリア移住の確保、子供の教育、シドニーやメルボルンにおける不動産投資などの手助けをすることだった。
この企みが崩壊したころには、ジアン氏は口封じの条件を含めた6万オーストラリア・ドル(約450万円)の支払を提案されたという。
また、ジアン氏はクラウンが中国人スタッフを「使い終わったおしぼりのように捨てた」と訴えた。クラウンが中国の法律だけでなく、スタッフの厚生を大切にしていなかったと発言した。
ジアン氏とのインタビューは日曜日にシクスティ・ミニッツで放送された。(AGB)