フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)は、日本の視察ツアーを行った結果の「特別報告」で、以前の日本IR市場に対する概算を修正したが、日本IRのライセンス更新方法に対して危険信号を発するような内容も含まれていた。
フィッチは「対話に協力していただいた方のほとんどはライセンスの10年更新が銀行における資金調達の難関であることに意見が一致している」と述べ、「日本のゲーミングに関する法律にはリスクが付き物で、特に政治的なリスク。自治体(立法機関を含み)は自発的に10年ごとに更新を求めなければならない」と続いた。
また、フィッチは投資収益率への懸念について語り、「私たちがいいと考える投資収益率(10%以上)を創出するのに日本のIRは確実なものと言えない。より高いゲーミング税のほかに、事業者は高い開発費と官僚的な手続きに対処しなければならない」と述べた。
しかし、プラス面ではフィッチが日本の年間ゲーミング総粗収益の概算を70億米ドル(約7560億円)から100億米ドル(約1兆0800億円)に修正し、「現在の施行令で事業者はそれなりの余裕があるため、カジノ床面積は問題点ではなくなったと考えている」と説明した。
先月、バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)は、日本のIRが70億~80億米ドル(約7450億~8150億円)のゲーミング総粗収益を創出し、何十億米ドルのノン・ゲーミングの収益を予想した。(AGB Nippon)