菅首相が就任して6か月以上の月日が経つが、 日本IR政策に関する発言の少なさには驚きを隠せない。 最近のメディア報道では政策自体が停止しているとも言われている 。もちろん停止したわけではないが、 外野がそう思うにも無理がない。
4か所の自治体はここ数ヶ月それぞれの動きをみせているが、 政府側は殆ど発言していない。
カジノ管理委員会は1年以上前に設立されてから現時点まで音沙汰 はない。本当に機関として機能しているのも不明であり、 実態があるのかも分からない。
ギャンブル依存症対策に関してもアップデートがなく、 この大きな課題に対して政府は新たなメッセージを発信していない 。
新型コロナウイルスのパンデミックによりギャンブル依存症の問題 が解決されたわけではなく、 自宅に籠っていた日本人の多くがオンラインギャンブルに手を出し 始めたという実例証拠が出てきている。 さらに本日からは10年以上ぶりに日本のテレビでパチンコのCM を放送し始める。これに対する保健所の対応はないのか。
政府がIR政策の説明などを行わず、 ギャンブル問題に関しても取り締まる様子をみせていない間、 元内閣府副大臣の秋元司氏の初公判がメディアの注目を集めている 。
今週始まった初公判では日本IRに興味を持った中国企業からの収 賄およびそれに関連していた裁判における証人買収の容疑に対して 秋元被告は無罪を主張した。
検察側は秋元被告に焦点を当て、 首謀者に仕立てるつもりでいるようだが、 この事件には他にも7人の与党議員が関わっていることも忘れては ならない。
また、 ゲーミング関連のイベントにもよく出席していた元防衛大臣の岩屋 毅氏ら5人の議員が100万円の賄賂を受けてことに対して検察が 追及していないことも可笑しな話である。
なぜこの5人は起訴されなかったのか。 国内メディアの報道によると、 この5人はIR政策に対する影響力が薄かったためであるとなって いた。すなわち、 日本という国では賄賂を受け取ること自体は問題視されないとでも 言ってるようにうかがえる。
従って、 秋元被告の公判が終わるまでは日本IRの評判は悪い方法に進み続 けていくであろう。
最終的にはこのような出来事から学習し、 日本のカジノ管理と規制のプロ意識を向上させるものになることが 望ましいが、 今までの実績からはそのような成長には期待できない。
政府はIR政策の責任をとることより、 説明責任と民衆の反対意見から逃れているようにしかみえない。( AGB Nippon)