新たなビジネスモデルを必要とするパチンコ業界

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遊技業界は新型コロナウイルスの到来以前にも、今までのビジネスモデルで生き残ることは難しいことが明らかであった。そして最近の情勢によりこの流れは加速している。

今週の読売新聞の特集はこの危機的状況に注目した。
この記事によると千葉県では警察調べで2016年には451件のパチンコホールが県内に営業していたが、昨年末にはその数が379件となり、16%も減少している。
全国規模でも今年3月のみで全日本遊技事業協同組合連合会のメンバーであったホールが111件も減った。
先月の緊急事態宣言前でもホールの売上はコロナ前の75%ほどのレベルに落ちていた。
この状況の要因はコロナ禍に限らない。遊技機の新台価格は上がり続けており、射幸心を煽るようなコンテンツは厳しく制御されている。
国全体の人口が毎年500万人減っているなか、さらに若い年代の顧客層はホールに足を運ぶよりモバイルゲームを選ぶ傾向が見え始めている。
また、社会全体のデジタル化もホール事業の足枷になる可能性もある。パンデミックという状況が続き、自宅で楽しめるエンターテインメントのコンテンツが一般的になってくることは遊技業界にとっては痛手になる。
競馬、競艇、競輪などの公営競技は同じように苦難を迎えていたが、今は大幅な上昇をみせている。その大きな要因はオンラインやモバイルによる投票が可能になり、自宅から投票権を購入しレースを視聴できる環境が整ったことが大きい。
しかしホールビジネスは顧客が実際に足を運ぶ必要あり、ネット越しに遊技することは出来ない。
読売新聞は一つのソリューションになり得る、家族全体を巻き込むハイブリッドな営業形態にも着目している。
君津市の本拠とするオアシスグループを取り上げ、そこではBBQオアシスという施設を同社が経営するパチンコホールと「君津の湯」というスパ施設の隣に先月開業した。外のバーベキュースペースでキャンピングのような体験もでき、お酒類も販売している。また、使用が無料な駐車場も完備されている。
このようなビジネスモデルは逆にIRの概念から借り、家族を自宅から呼び出し、パチンコに限らずアウトドアレジャーなどの統合的なエンターテインメント施設というビジネスモデルになる。
もちろんこのような方向性は遊技業界の未来になるかは分からないが、新たな考えを試す必要性が最も高い産業になっているのは間違いない。(AGB Nippon)