フィッチ、ユニバーサル・エンターテインメントの将来を間向きに評価

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フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)は、株式会社ユニバーサル・エンターテインメントに外貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)B+を付与し、格付アウトルックは安定的であることを発表した。

この評価は控えめながら前向きであり、フィリピンにあるオカダマニラの統合型カジノ・リゾートの影響も大きな要因だった。

「上記格付は、ユニバーサルがマニラのエンターテインメント・シティ(Entertainment City)における最大の統合型カジノ・リゾート(IR)施設オカダマニラの運営事業者としてカジノ事業において有する市場地位と、主導的な市場シェアを有する日本のパチンコ・パチスロ事業において有する市場地位がともに強固であることを反映している」とフィッチは指摘した。

オカダマニラに関しては、フィッチは、「ユニバーサルのカジノ事業の成長計画は野心的であり、相当の不確実性を伴うものとみている。オカダ・マニラはその規模と高級志向により、エンターテインメント・シティで有数のIR施設の地位を確立できる十分な潜在力を有する。段階的な拡張が順調に進んでおり、ユニバーサルは2019年第3四半期に建設工事を完了させる予定である。投資の大部分はすでに完了しているため、遅延の可能性やコスト超過を考慮しても、プロジェクト・リスクは限定的である」と述べている。

しかし、ユニバーサルにVIP向けの実績がないこと、フィリピンの規制が比較的に確立されていなこと、そして一か所のカジノに依存していることをリスク要因として挙げている。

日本国内では更なる難題は予想され、「国内のパチンコ・パチスロ市場は構造的に縮小しているものの、同社の競争力のある技術及び主導的な市場シェアが事業の回復を促し、同社が最終的には低水準ながら安定的な成長を達成するとともに、入れ替え需要に支えられて安定した収益性を示すことが予想される」という。

また、フィッチは「ユニバーサルの創業者である前会長の岡田和生氏と同社との間では訴訟が継続中であることを踏まえると、ユニバーサルのコーポレート・ガバナンスも制約要因となっている」ということも指摘している。  (AGB Nippon)