大阪の民間・公共セクターは、夢洲の開発に対する意欲が2025年国際博覧会と統合型リゾートのみにとどまらず、長いこと停滞していた大阪湾の開発を再開させる起爆剤とみていることが明らかになってきた。
大阪市の吉村洋文市長は2月21日に「空庭温泉大阪ベイタワー」の報道陣向け内覧会で登壇し、開発に対するビジョンを語った。温泉やレストランが楽しめる空庭温泉大阪ベイタワーは港区の弁天町の付近に位置し、大阪が政権の中心であった安土桃山時代の雰囲気を再現することがコンセプトとなっている。
夢洲の付近には、アジアの最も大きなテーマパークの一つであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンも位置している。
2019年の1月に大阪市は、夢洲を隔てる水路に面している咲洲の土地4ヵ所を不動産会社のアーク不動産に売却すると発表した。アーク不動産はこの土地に22階で600客室を誇るホテル、ショッピングセンター、レストラン街、コスモスクエア駅付近のスポーツ施設を建設する予定である。現時点ではコスモスクエア駅が大阪メトロ中央線の終点となっているが、延伸計画が現実となれば終点が夢洲に生まれ変わる。
また、夢洲の隣の島にあるホテル・ロッジ舞洲は、VIPサービスの新時代に向けてカップルが貸切ヘリから花火を観賞するというプランを立ち上げた。スイートルーム、チャンパン、花束などを含むプランの価格が一泊50万円となっている。
大阪湾の設備自体も、より多い数の豪華客船を停泊させるための拡張が見込まれている。また、そのエリアを「スーパーポート」に変貌させ、関西国際空港と並ぶ関西への入り口の一つにするという話もあがっている。
国際博覧会と統合型リゾートは、バブル崩壊により停滞してしまった1980年台に始まった開発計画を再開する大きな機会を与えたと考えられる。(AGB Nippon)