ウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)の26億米ドル(約2860億円)規模のアンコール・ボストン・ハーバー(Encore Boston Harbor)IR がまだオープンを果たしていないにもかかわらず、MGMリゾーツ(MGM Resorts)への売却の可能性を交渉していることが明らかになった。これはマサチューセッツ州ゲーミング・コミッション(Massachusetts Gaming Commission)からアンコールのカジノライセンスが付与されてから間もない発展である。
去年にMGMスプリングフィールド(MGM Springfield)を開業したMGMにとって、6月~7月にオープンが控えていると思われるアンコールがライバルとなるため、同社が関心を寄せるのは想像に難くない。MGMがこの2ヵ所のIRを所有すれば米国の東北カジノ市場を席巻できる立場となるでしょう。
ウィンがアンコールのプロモーションに励み、ライセンスを保有し続けるために奮闘したため、同リゾートを手放してもいいと考えている可能性があることが衝撃的である。
これはスティーブ・ウィン氏(Steve Wynn)性的違法行為疑惑に対する同社の対応とマサチューセッツ州ゲーミング・コミッションの辛辣な批判によりウィンの評判が悪くなったことが売却の原因であることが可能。
また、ウィンが海外のほうに着目している憶測もある。日本でのIR入札を目指していることがその大きな理由の一つであり、アンコールを売却すればかなりの資金を調達できると考えられる。
しかし、多くの分析者は近々に取引が成立すること見込んでいない。例えば、バーンスタイン・リサーチ(Bernstein Research)が至った結論は「交渉を進めているとしても、近い将来にアンコール・ボストンの売却はないと考えられる」ということであった。(AGB Nippon)