ネバダ・ゲーミング委員会(Nevada Gaming Commission)は、ウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)の創業者で元会長のスティーブ・ウィン氏(Steve Wynn)に対する性的違法行為の申し立ての不適切な対応を理由に、2000万ドル(約22億円)の罰金を科した。今までネバダ・ゲーミング委員会が科した最高罰金額であった550万ドルの記録を大幅に塗り替えた。
委員からは「一人の男の問題ではありません。企業全体のカルチャーが機能していなかったため、十分な企業管理を責任もって行うことが出来ていなかったことが問題です」との声があがった。また、委員長は「罰金としては大きな変化をもたらせなければなりません。全国に警報を鳴らし、国外にまでも届かなければならない」と付け加えた。
今回の罰金に込まれたメッセージは幅広く届いている証拠として、マサチューセッツ州のゲーミング委員会も同じくウィン氏の問題に対するアクションを検討している。同州のボストン市にはウィン・リゾーツはアンコア・ボストン・ハーバー(Encore Boston Harbor)の施設を建設しているが、同プロジェクトに必要なゲーミング・ライセンスへの影響が懸念される。
ウィン・リゾーツの国際レベルでの企業イメージは、マカオの利権更新や日本でのライセンス取得に向けて重要なポイントになっている。
ウィン・リゾーツ自体は今回の罰金を前向きに捉えている模様であり、次のようなコメントをのこしている。「我々は過去12ヵ月行ったきた社内の変化と新たな企業文化をネバダ・ゲーミング委員会が認めて頂き、また大きなパラダイム・シフトを受けて入れて頂き嬉しく思います。ネバダのレギュレーターによる調査が完了した事実は大きな一歩であり、ウィン・リゾーツの成長を託された新たなリーダーシップを信用して頂いて非常に感謝しております。」
スティーブ・ウィン氏個人に対してはネバダ・ゲーミング委員会は更に行動を起こす可能性は残るが、ウィン・リゾーツとしてはこれで全てが過去の問題となりそうである。
関連したニュースで、マサチューセッツ州のゲーミング委員会はスティーブ・ウィン氏との起訴を解決し、今までアクセスが不可能だったレポートを公開することで合意したと発表した。(AGB Nippon)