日本は、国内でいくつのIRが最終的に許可されるべきかという問題に悩むアジア唯一の国ではない。たとえばフィリピンのアミューズメントとゲーミング管理公社(PAGCOR = パグコア)は最近、フィリピン国内の陸上カジノライセンスの発行を一時停止する決定を行った。パグコアは、これは既存のカジノ運営者による投資を保護するためだと述べている。
バルセロナ市のワールド・ゲーミング・エグゼクティブ・サミット(World Gaming Executive Summit)では、パグコアの会長兼最高執行責任者のアルフレッド・リム氏(Alfred Lim)が演説を行い、一時停止が行われる前に受領した5件のラインセス申請は処理が継続されるということを繰り返し述べた。
リム氏は、ゲーミング市場は新たな参加者の参入を許可する前に熟成するための時間を必要としていると、再開のタイムラインを明かすことなく述べた。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は1月に、過剰供給が懸念される中、新しいカジノプロジェクトを中断させた。フィリピンはアジア最速の成長市場のひとつで、2017年にはギャンブルの粗利益が約12%上昇して1765億ペソ(約3655億円)に達し、投資家の興味を引き付けている。
依然として処理されることが決まっている5件のライセンスは、ウデンナ・コーポレーション(Udenna Corporation)によるクラークシティでのカジノ計画、中国の投資家の支援を受けているセンチュリー・ゴールデン(Century Golden)によるマスバテ州のルソン島南部の地所、カビテ州およびルソン島においてプライム・アセット・ベンチャーズ(Prime Asset Ventures)によって計画されているリゾート、ダバオ市で計画を進めるEDCベンチャーズ(EDC Ventures)、そしてギャラクシー・エンターテイメント(Galaxy Entertainment)とローカルパートナーのレジャー・リゾーツ・ワールド・コーポレーション(Resorts World Corporation)に発行されたライセンスが含まれる。ギャラクシーとリゾーツ・ワールドのグループは最初は、ボラカイ島でのIRを計画していた。なお、ボラカイ島は、環境のダメージを修復するため、ドゥテルテ大統領によって観光客へのアクセスが閉鎖されていた。
オンライン産業については、パグコアは依然として、POGOとして知られる新しいフィリピンのオフショア・ゲーミング・オペレーターのライセンス発行による確実な成長を期待している。
パグコアは昨年、約7400万米ドル(約82億円)の収益をPOGOから得ており、リム氏は「劇的に増大している」と述べ、フィリピンの首都マニラでの不動産と同様、雇用およびサービスの需要が生まれると話している。
また、同氏は「ギャンブル産業は、政府の収益に大きく貢献しています」と話した。(AGB)