ゲンティン・マレーシア(Genting Malaysia)は、同社のリゾートで計画中の20世紀フォックス・ワールドテーマパーク契約破棄のため、10億ドル(約1138億円)を求めてフォックス・エンターテインメント・グループ(Fox Entertainment Group)と米ウォルト・ディズニー(Walt Disney Company)を起訴した。
2019年開園される予定のテーマパークは、ゲンティン・マレーシアの施設拡張後の主要なアトラクションになると期待されていた。日本のIRライセンスを求めるゲンティン・マレーシアは、フィリピン、英国、バハマ諸島、米国でリゾートを持ち、世界のもっとも大きなカジノ・オペレーターの一つである。
ゲンティンはカリフォルニア中央地区連邦地方裁判所にて提訴を起こした。同社は、21世紀フォックス買収の締結を目指すディズニーがカジノとの協業に難色を示したと主張している。
ゲンティンと20世紀フォックス・ライセンシング&マーチャンダイジング(Twentieth Century Fox Licensing & Merchandising)は、2013年6月に世界初となるフォックステーマパークの契約を締結した。ゲンティンはテーマパークを所有し経営を行い、フォックスはゲートを除き小売・飲食の一定割合を受ける形になっていた。
マレーシア証券取引所(Bursa Malaysia)へのステートメントでは、ゲンティンは両社の合意覚書の解約通知と4620万ドル(約52億円)の前倒し請求を受け、起訴を起こしたという。
「我々は合意覚書における権利を徹底的に行使し、10億ドル(約1138億円)を超える投資費用と懲罰的損害賠償を請求する」と述べている。
「起訴は事業に悪影響を及ぼす見込みはない。どんな起訴と同様に、起訴の妥当性や弊社への損害賠償の範囲などは法的手続きの結果が明らかになるまでは把握できない。」
ブルームバーグによると、起訴の内容では家族向けブランド戦略を重視するディズニーがカジノを運営する会社との協業をためらったとのこと。
1年で3000万人の訪問者を目標とするゲンティンは、テーマパークの施設に7億5000万ドル(約853億円)を投資している。
フォックスは、収益のもっと大きな割合を得るために契約の再交渉を試みたが、ディズニーの買収によって目標が再交渉ではなく破棄となっている模様。(AGB)