アナリストによると、ラスベガス・サンズ(Las Vegas Sands)が5月末にペンシルベニア州にあるサンズ・ベツレヘム(Sands Bethlehem)を売却したことは、同社が日本のIR入札を最大目標としてアジアに改めて焦点を合わせる姿勢と関係があるそうだ。
「ラスベガス・サンズが日本のゲーミング・ライセンスを取得することか長期的な目標と考えられる。実現すれば建設費が120億米ドル(約1兆3000億円)という史上最も高価なリゾートになりかけない」と金融メディア企業モトリーフール(Motley Fool)のトラヴィス・ホイム氏(Travis Hoium)が書く。
ホイム氏は、日本のおける大型IR入札の可能性により、多くの事業者が日本IR入札に向けて資金を持ち、他の投資に傾倒しすぎないようにしていると指摘した。
「ゲーミング事業者にとって日本が難儀なものである。万が一に備えて建設のための資金を温めておかないといけないだが、低金利環境で貸借対照表上に資金を保つことが資本の良い使い道とは言えない。ラスベガス・サンズのような企業にとって日本での入札に勝てないなら配当を増やすか自社株買いをすることが望ましい。しかし、最終的に日本がシンガポールのような有利投資であれば、どんな犠牲でも払ってもいい価値がる」と続けた。
会長兼最高経営責任者のシェルドン・アデルソン氏(Sheldon Adelson)がサンズ・ベツレヘムの売却に対して述べた声明がアナリストの分析を裏付ける:「これは弊社の長期的戦略の重大な節目であり、この売却により我々が得意とする大規模、観光復興となる統合型リゾートの開発と株主還元に焦点を当てられる。ザ・ロンドナー・マカオ(The Londoner Macao)の開発、シンガポールのマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)施設拡張、日本の大阪における有望な事業機会の積極的な活動、どれであろう我々は事業の地域社会にプラスとなる経済的効果をもたらすプロジェクトと、シェアホルダーへの利益還元にコミットしている。」
ラスベガス・サンズは5月末に、アラバマ州のクリーク族ポーチ・バンドの関連企業であるウィンド・クリーク・ホスピタリティ(Wind Creek Hospitality)にペンシルベニア州のベツレヘム・リゾートを13億米ドル(約1410億円)の価格で売却した。(AGB Nippon)