バーンスタイン・リサーチの詳細分析によると、マス市場の規模が大きくなるにつれて利益を得るサンズ・チャイナは、これから数年間ラスベガス・サンズを牽引する可能性が高い模様。
サンズ・チャイナは、グループ内収益の58%を占め、マカオでのゲーミング総粗収益(GGR)を23%占めている。バーンスタインはラスベガス・サンズに「アウトパフォーム」のレーティングを与え、一株の目標株価を65米ドル(約7330円)とする。
「サンズのサービスは、マカオのVIPからマス向けのパラダイムシフトを利益化する立場にある」とバーンスタインが指摘し、「サンズ・チャイナの純収益が2017~2022年で、マカオ市場に見合った9%の年平均成長率を予想する」と述べた。
同グループは、統合型リゾートのザ・ベネチアン(The Venetian)、ザ・パリジャン(Parisian)、そしてロンドンテーマに改造されつつあるサンズ・コタイ・セントラル(Sands Cotai Central)を経営し、サンズ・マカオ(Sands Macao)とフォー・シーズンズ・マカオ(Four Seasons Macao)も保有している。しかし、バーンスタイン社は、2年にわたるサンズ・コタイ・セントラルから「ロンドナー」への変更を含む改造が短期的に営業に支障をきたす可能性があると述べた。
また、シンガポールにあるマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)はグループの企業価値には完全に反映されていないことも指摘された。売上高の大きな伸長は見られないものの、マリーナベイ・サンズは世界でもっとも収益の高いカジノであることが述べられた。
バーンスタイン社によると、サンズの経営陣は以前にシンガポールでのショッピングモール事業を売却する可能性について述べたことがあり、その売却が現実になれば企業価値を引き出す大きな触媒になると考えれる。
日本のIR入札競争に参加している同グループは、日本国内では有力候補の1つとされている。「目標株価には現在含まれていないが、ラスベガス・サンズが日本のIRライセンスを取得した場合、株価に最大2.58米ドル(約291円)現在価値の増加になる」とのこと。(AGB)