スティーブ・ウィン、ウィン・リゾーツとマサチューセッツ州ゲーミングコミッションを告訴

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ウィン・リゾーツがスティーブ・ウィン氏の時代から完全離脱を果たしたという期待は先週の水曜日、共同創設に一役買ったスキャンダルまみれの元会長兼最高経営責任者が自身の会社を訴える行動に出たために完全に裏切られる形となった。ウィン氏はまたマサチューセッツ州ゲーミングコミッション(Massachusetts Gaming Commission)も告訴している。

ウィン氏の目的はユニバーサル・エンターテインメントの創業者である岡田和生氏に対する過去の訴訟に関する情報等が含まれているマサチューセッツ州ゲーミングコミッションのレポートの一般公開の阻止であると思われる。ウィン氏はレポートの情報の一部は弁護士・依頼者間の秘匿特権により保護されていると主張。

ウィン・リゾーツは、マサチューセッツ州エベレット市にもとはウィン・ボストン・ハーバー(Wynn Boston Harbor)と名付けられた26億米ドル(約2940億円)のIRを建設しているが、5月以降はアンコール・ボストン・ハーバー(Encore Boston Harbor)と呼ばれている。約8ヶ月後に開かれる予定であり、コネチカット州の老舗とも呼べるフォックスウッズとモヒガンリゾート、さらにマサチューセッツ州の新たなMGMスプリングフィールドに対しアメリカの北東での競争が起きる可能性が出てきている。

ウィン・リゾーツ・プロジェクトは1月に米国のニュースメディアによって明らかにされたウィン氏に対する複数の性的暴行の申し立てにより中断の危機に一時瀕していた。ウィン氏はやがて辞任し、彼の名がつけられた会社の財務上の権利をすべて手放すこととなった。

ウィン氏が離脱したことによりウィン・リゾーツはマサチューセッツ州IRの建設を再開することが出来たが、マサチューセッツ州ゲーミングコミッションの調査は継続しており公開報告書の発表を間近に控えている。ウィン氏はこれを告訴により止めようとしている模様。

ウィン・リゾーツにとってはいちかばちかという状態である。マサチューセッツ州ゲーミングコミッションの承認はンコール・ボストン・ハーバーを開くためには必須であり、ウィン氏とのさらなる絡み合いはプロジェクト全体が深刻な危機にさらさせる可能性は避けられないと思われる。

マサチューセッツ州ゲーミングコミッションがウィン・リゾーツが州内でギャンブル・ライセンス保有に適していないと判断した場合、ウィン・リゾーツの日本IR見通しに深刻な影響を及ぼすことは間違いない。(AGB Nippon)