福島を中心にホール53店舗を展開するニラク(福島県郡山市)は5月15日、郡山市内で無料の依存対策啓発セミナーを開催した。ギャンブル等依存症問題啓発週間(5月14日から20日まで)に合わせた取り組み。依存問題に関心が高い49人が受講した。
「パチンコ依存を知り、依存対策について考える」と題した同セミナーは、二部構成で展開。第一部ではパチンコ・パチスロ依存問題回復支援施設である認定NPO法人ワンデーポートの中村努施設長が基調講演を行い、第二部では浦和まはろ相談室の高澤和彦代表をコーディネーターとする公開討論会が行われた。
中村施設長は「依存対策の過去・現在・未来」と題して、ワンデーポートの活動や一般的な自助グループの依存対策に対する考え方を紹介。「ギャンブル依存の対策は、一人ひとりの中にきっと答えがある」と述べ、個人が抱える個別的な問題に目を向けることが本人の幸せにつながると説いた。
これは問題を抱える本人を一括りに「ギャンブル等依存症」という病気として捉えようとする国の考え方とは異なる。なお「ギャンブル等依存症」という呼称は日本政府独自のものだ。
第二部の討論会では、高澤代表のほか、司法書士の稲村厚氏、郡山市社会福祉協議会の柳内祐一氏、パチンコ研究科の丈幻氏、ニラク法務部カスタマーセンターの吉田ひろみ氏がパネリストとして登壇。さまざまな立場から依存対策の在り方を検討した。
主催者挨拶で大石明徳取締役は、「パチンコは気軽に楽しめる娯楽である一方で、過度なのめり込みによる、問題を抱えているお客様がいるのも事実。当社はギャンブル等依存問題への対策をホール企業の社会的責任と考えており、基本方針『責任ある遊技』を掲げて依存対策に積極的に取り組む」と述べた。
ニラクが掲げる「責任ある遊技」は、①従業員の教育、②予防の促進、③セーフティネットの整備、④地域社会との共生―からなる。 (Amusement Japan)