一般市民、IR誘致競争で置き去りに

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3つあるIRライセンスの獲得を目指す競争は最終段階に近づき、日本国内の自治体と国際的IR事業者がしきりにライセンスの承認を待っている。しかし、一般市民の大半は期待で興奮しているわけでもなく、賛成もしない発展を見守っているだけだ。

ここ5年間、IR問題は議論の的として目立っており、その間に世論はほとんど変わらず2対1の比率で「反対」の意見を示してきた。

具体的な世論調査では、年齢と性別で意見が分かれることが示唆される。女性は男性よりカジノギャンブルの合法化に反対し、同様に年長者は若者より反対のスタンスをとっている。

いくつかの地方地域では状況が異なるかもしれない。長崎と大阪での調査によると、住民がIR開発に地域の経済効果を期待しているため、ほかの地域より寛大な考え方を持っているようだ。全国レベルでは、IRに対する温度差がほとんど変わっていないようである。

政界は明らかにIR賛成とカジノ反対に分かれており、マスコミもIR規定に関しては一致団結して不同意を示している。また、ほとんどの主要紙は反対の社説を掲載し、テレビ番組も疑問を露わにしている。

現時点でも、安倍政権が議会での過半数を活かしIR整備法を押し通したものの、一般市民に理解を深めるような努力は特にしていないようだ。国政選挙が近づくと、与党の策士はIR開発のことを擁護するではなくて、控えめに扱うか存在しないかのように振る舞い、胸を張って堂々と提唱するものより政治的な汚点のようにIRに関する展開を扱う。

政府が規定における公的な責任をとらないままでは、対社会関係の負担が移された地方自治体とビジネス界は、それぞれのIRイニシアティブを自力で擁護するしかない。

したがって、カジノ反対デモでは、知事や市長の言う通りにしないで住民投票でIR開発に関する物事を決めるというのがよく唱えられている。

IR賛成派の中には、新聞調査が誤っている、もしくは偏しているか抽出法が不正確などと根気強く主張するものもいる。彼らは、国民は実際にはIR開発に反対していないとしている。また、国民はIRがどういう施設であるか(ただのギャンブルと不道徳な遊びのたまり場ではなく)ちゃんと理解さえしていれば、IR開発を支持するという主張をものもいる。

その一方では、住民投票を歓迎し、民主的意思を尊重し、地域社会の協力を得るほど意見に自信を持つようなIR賛成派(日本人でも外国人でも)はいないようだ。

IR誘致を目指している地方自治体の多くは、市民向けの説明会などを開き、自力で世論を変えようとしている。しかし、IR開発は近隣のコミュニティーに影響を与えるにちがいないのに、管轄外になるためこういったイニシアティブはIR誘致を目指している自治体内でしか行われない。

IR事業者は日本支店を設置し、地元のビジネス界と交流しているが、IR開発におけるパートナーとして選定されるまで多くの時間と努力をかけたくないのは当然のことかもしれない。

また、だれよりも一般市民のギャンブル依存症に対する懸念に対処しようしたのは、今では日本のIR誘致競争から身を引いているシーザーズ・エンターテインメント(Caesars Entertainment)だ。

現時点では、一般市民の支持を得ることはたいがいIRの建設が開始してからの段階に先送りされていると考えられる。(AGB Nippon)