今月の上旬に大阪地方公務員から成る少数代表団がジャパン・ゲーミング・コングレスに出席したが、すでによく知られている夢州でのIR構築計画関連の参加ではなく、むしろライバル候補である大阪府泉佐野市を代表するためものとされる。
あまり知られてはいないものの泉佐野市の参入は今に始まったことではなく、むしろその地域にカジノを建てるという考えは2002年8月に当時の大阪知事だった太田房江氏によってすでに提案されていたが、ギャンブルを禁じる国内法のために計画は中止。数年後の2013年、泉佐野市議会はIR入札を支援する決議を行った。
りんくうタウンの名で知られるこの場所の大きな利点は大阪、京都、神戸等を含む日本でも二番目の規模を誇る都市複合へとつながる関西国際空港の横にあるということ。
さらに2013年にコンサルタント会社が実施したアンケート調査によると地元のビジネスマンの78%がりんくうタウンでのIR構築を支持するという結果が出ていた。
それでもなお、市議会が決議を可決した時でさえ、大阪の政治及び企業界のコミュニティの関心はすでに都心にさらに近い位置にあり尚且つ開発用の広い土地を所有している夢州サイトへと傾いていた。
このような理由から、現大阪知事の松井一郎氏は泉佐野のIRへの期待を完全に断ち切ったとされる。昨年の6月、松井氏は記者会見にて「泉佐野市に現時点で協力する思いはない。大阪は夢洲一本で行く」と語り、さらに「ここに世界最高水準のエンターテインメントエリアをつくる」とも述べている。
松井知事のアプローチは県内のどの自治体がIR入札を行うべきかの総意を得るために慎重に取り組んでいる北海道知事の高橋はるみ氏のそれとは大きく異なる。
いずれにせよ、IR実施法案によりIR入札地方権の大半が都道府県政府の手に渡るという事実を考慮すれば松井知事の立ち位置は決定的なものに見えると思われる。
泉佐野市はキャンペーンを諦めてはおらず、IR関連のイベントに引き続き参加している様子。
泉佐野市総合型リゾート誘致担当参事である木村圭介氏はAGB Nipponに「泉佐野市はやはり空港近接のIRという部分では日本国内においても候補地として非常にポテンシャルの高いエリアである。これは我々自治体としてもそう思っている。」と語った。
日本でも初のカジノ候補地の一つとなったこの市は不利な状況に直面しているようであってもいまだ競争から退く様子は見せていない。(AGB Nippon)