秋元議員が拘留されるが、多くの疑問が残る

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安倍政権下の殆どの政治スキャンダル同様、今回の賄賂事件は謎の解明、そして教訓を活かした改革などに繋がることはなさそうだ。そして完全な真実が明らかにされる前に調査は停止し、論理的な進歩も追及されないまま、政府は何もなかったかのよう振る舞う。

現在、逮捕者は出ておらず、調査も凍結されている。

4人の被告がさまざまな容疑で起訴され、1か月以上拘留されてきた:秋元司元内務副大臣、500ドットコム幹部のジェン・シー氏、500ドットコム顧問の今野昌彦氏と中里勝憲氏。4人は既に保釈されている。他にも2人、秋元議員の元政策担当秘書の豊嶋晃弘氏と加森観光の代表取締役会長の加森公人氏は、逮捕されずに起訴された。これらの6人は、裁判所の訴訟に直面することになる。

しかし、謎として残るのは、なぜ賄賂を受けたとされる他の5人の議員、与党の岩屋毅氏、船橋利実氏、中村裕之氏、宮崎政久氏、および元大阪維新の下地幹郎氏に対して告発が行われなかったのか。

1月上旬、中里氏は2017年9月下旬に起訴されていない5人にそれぞれ100万円の賄賂を自ら渡したと検察官に告げたことが報告され、その証言を立証する電子記録もあった模様。実際、下地氏と船橋氏は、賄賂として認識していなかった言い訳をしながらも、受け取った事実を認めた。結果として、下地氏は大阪維新から追放された。

この忌まわしい情報が1月初旬に報道されてから全く何も起きておらず進展もない。検察官は5人の議員を逮捕せず、起訴もしていないまま、一ヶ月以上が経過した。

森友学園スキャンダルの佐川宣寿氏や関西電力の高浜原子力発電所の贈収賄スキャンダルに関わった上級幹部20人などと同様に、犯罪行為に関与していたことを公に認めざるを得ない場合でも、検察官はしばしば追及しなくなる。

これらの各事件において、日本の検察官は安倍政権の政治的召使として活動しているという結論を避けることは困難である。調査を止める必要があると命令が伝われば、直ちに活動が止まる。

黒川弘務東京高検検事長の定年延長など安倍内閣の違法とされる決定は、安倍首相と菅義秀内閣官房長官がどのように支配しているかを示唆している。官邸のために動く検察官は昇進などの見返りが期待できる。

2014年5月、安倍政権は内閣人事局を設立し、約600人の政府幹部を任命する権限を与えたことにより権力を自らの手で一元化した。以前は各省庁が昇進について独自の決定を下していた。

評論家は、かつて非党派的な思想で国家に奉仕することを目指していた多くの上級官僚が、この特定の「改革」を通じて、キャリアの最高位に関する人事権限を握る官邸の熱心な奉仕家に変身してしまっていると主張している。

この文脈の中でとらえると、東京検察官が秋元氏を逮捕したが他の5人の議員を逮捕しなかった理由は、おそらく秋元氏が最も罪が大きかった点、そして検察側が元防衛大臣である岩屋氏を含む6人の保守的な議員を追及する政治的なリスクを考慮したという可能性がある。

コロナウイルスやその他の問題により、カジノの贈収賄スキャンダルはすでにニュースの見出しから押し出されており、大きな進展がなければ国民の注目を失い続けるであろう。

不透明な真実、消えた記録、物足りない正義、月単位の延期、並びに政府の仲間の保護。これらすべて表しているのは、森友学園、加計学園、桜を見る会、KEPCO高浜原発などのスキャンダル同様、カジノ贈収賄スキャンダルも安倍政権特有の不満が残る結論に向かっているようにみえること。(AGB Nippon)