米国の4大カジノオペレーターのうちの3社が、これから5年間マカオに成長エンジンとして依存し続けるとバーンスタイン社(Bernstein)が語った。該当する3社は、ウイン・リゾーツ(Wynn Resorts)、ラスベガス・サンズ(Las Vegas Sands)、そして2社より依存度の程度は低いとされながらMGMリゾーツ(MGM Resorts)である。
「アメリカ株への調査を拡大させるにつれて、ラスベガス・サンズとウイン・リゾーツという北米のもっとも大きなゲーミング株にとって、マカオは非常に大きな存在であることを考慮する必要がある。」
「MGMはアメリカに焦点を当てて営業レバレッジ向上とMGM グロウス・プロパーティーズ(MGM Growth Properties = MGP)のREIT(Real Estate Investment Trust = 不動産投資信託)による金融工学に依存しているが、マカオとその将来の成長性も影響を与えている。」
「シーザーズは、戦略を最適化しようとしてる動かぬ巨人のようなもので、アメリカ市場は飽和状態で競争が激しく、投資家の中では利益還元を作るコーポレートアクションに期待している者もいる。」
バーンスタイン社は、米国オペレーターの中ではラスベガス・サンズ社が明らかなリーダーであり、将来マカオと同様にVIPからマスへの方向性の変更に向いていると考えている。シンガポールにあるマリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)は、世界的にもっとも有益なカジノ資産で安定した財源である。バーンスタイン社は、「配当の継続と自社株買いによる株主への魅力的な利益還元といった点でラスベガス・サンズを選好する」と述べている。
ウイン・リゾーツに関しては、「VIPからマスへの変更は、営業レバレッジを取り付けつつ中期的にウイン社の利益率を向上させる援助となる」とのこと。
「ウイン社の現在の好ましくない評価は中国の弱いマクロとマカオ市場の定期的な鈍化に影響を受けたもので、変動に強い長期的投資家にとっては魅力的なエントリーポイントであると考えている。」
一方、利益がラスベガスに依存するMGMリゾーツは、新しい市場に拡大しない限り成長が伸び悩む可能性がある。
しかし、バーンスタイン社は、マカオでのMGMコタイ(MGM Cotai)の予想を上回る拡張と、コンベンション訪問とRevPar(Revenue Per Available Room = 販売可能な客室1室あたりの売上)上昇による予想を上回る成長が、株へ良い影響を与える可能性を指摘した。
シーザーズ社に関しては、長期にわたる価値が実行の問題とアジア成長との疎遠によって制限されているとバーンスタイン社は語り、その例として最近の韓国事業の限られた価値を挙げた。バーンスタイン社は、シーザーズ社の既存のラスベガス施設を改造しRevPARを上昇させるという戦略が正しいと認めた。「しかし、シーザーズ社は競争相手より比較的弱い資産を保有している」とういうことも語った。(AGB)