長崎県、IR政策の抜け穴をしっかりと塞ぐ

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日本IRの競争において、確実に政策を進めている印象を与えている自治体は依然として長崎県のみである。

大都市から遠隔地とも言われていた地方市場でありながら、長崎県のIR事業者公募には5者が応募した。この数に近づく可能性があるのは首都圏の市場にアクセスがある横浜しかなく、既に和歌山県の2者と大阪の1者を突き放している。

今月半ば、秩序立つ手順で長崎県は応募コンソーシアムの一次選考を経て候補を5者から3者に絞った。この2ラウンド制のシステムにより、IR事業者の選定に向けて長崎県は多くの情報を段階的に取り入れることができる。

以前報道した通り、今回残った3者はカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパン(Casinos Austria International Japan)、NIKI&チャウフー(パークビュー)グループ(NIKI & Chyau Fwu [Parkview])、そしてモヒガン・ゲーミング&エンターテイメント(Mohegan Gaming & Entertainment)を含むオシドリ・グループ(Oshidori Group)である。

今週、長崎県はさらに日本IR政策にある大きな抜け穴をしっかりと塞いだ。これは、長崎県のIR公募に参加しているIR事業者および大株主は国内他地域のIR公募に参加することを禁止していることが明らかになった。

県からの情報では「2021年6月に予定されている第二次審査書類の提出受付後、応募グループのSPCに5%以上の出資を行う公募グループ構成員および関連企業は、本公募以外に同時進行している他地域の同案件選定に参加することはできない」と明確に伝えた。

これはまさに日本のIR政策と基本方針が今まで触れていなかった重要なことであり、多方面のアナリストも困惑させていた問題でもある。一つの投資者やIR事業者が複数個所に同時入札することは可能なのかは誰も分かっていなかった。このような手段を取ってヘッジしようとする企業も最近までいた様子である。

以前取り上げた内容だが、国の制作ではシステムとしての取り決まりが無く、複数の自治体で同時に同類の公募を行うラッシュ状態を招く形である。現時点は4つの自治体しか正式にIR誘致に動いていないが、国の政策ではこれが40であっても特に措置はおかれていない。

長崎県が事業者選定で今回賢明に取り入れている複数ラウンドのプロセスは、本来は国が採用しなければならないものである。

他の自治体が苦戦を強いられている多くの問題においても、長崎県は確実に進められている。

長崎で長年の努力で進められてきたコンセンサスの形成を一つの例とする。これを横浜で起きてきた林文子市長のIR政策に対する選挙前の嘘と選挙後の態度の急変や十分の支援を得ていた横浜IR誘致の是非を問う住民投票を否定する姿勢などを比べると違いが一目瞭然である。

前者は地域住民に対する敬意を感じるが、後者は住民の意見を無視する恥ずべき状況である。この事実は最終的な結果を暗示している可能性が高い。

また、長崎県は唯一、IR事業において周辺地域にも正式に手を差し出している自治体である。長崎のIRは九州全体を巻き込むプロジェクトに進化している中、横浜、大阪や和歌山では隣県などと協力する真剣な取り組みはみられない。

簡潔に説明すると、長崎県庁は他の行政や日本政府よりも高いレベルでIR整備政策を進行し続けているのは明確である。(AGB Nippon)