ジェームズ・スターン氏、日本のカジノ・セキュリティーを語る

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4月に辞任となったウィン・リゾーツ(Wynn Resorts)の元企業セキュリティー上級副社長であるジェームズ・スターン氏(James Stern)は東京で記者会見を開き、2020年代に日本の初となるIRの開業におけるセキュリティー懸念事項について語った。

「徹底的な身元確認が鍵となる」と言うスターン氏は、雇用時の身元調査だけでなく出世したときの調査も必要となり「ホテルのボーイとカジノのケイジ管理者では身元確認の意味が変わってくる」と付け加えた。

これが重視されるのは犯罪組織などによりカジノ従業員の潜入がなによりも脅威であり:「何らかの詐欺などを一番簡単にできるのは組織の中からだ。身元調査が徹底的に行われてない人やすでに犯罪組織と組んでいる人などが」とのこと。

また、暴力団が登録された構成員ではなく知名度の低い関係者などを送り込んでカジノへの潜入を試みるということも考えられる。

もう一つ注意しないといけない犯罪は高利貸し業のことであり、「発生が多くなるのは暴利なローン、高利貸し業、違法資金移動などだと思う」と同氏が述べた。

ウィンの役員会から2012年に解任された日本のカジノ王である岡田和生氏が暴力団とつながりがどうかについて聞かれたスターン氏は「個人的な意見だとよくない者とのつながりがるのではないかと思う。自身の企業によくないこともしてきたことが後になってあきらかになるのでは」と意見を述べた。

2007年に、25年以上FBIで務めた49歳のスターン氏がスティーブ・ウィン氏(Steve Wynn)から連絡を受け、ウィン・リゾーツのセキュリティーを担当するように頼まれた。今年の4月まで務めたスターン氏は、マサチューセッツ州の規制機関がアンコール・ボストン・ハーバー(Encore Boston Harbor)IRに関する調査の過程でウィン社員をスパイした疑惑が浮上し、解任されることになった。

現在、スターン氏はグローバル・ゲーミング&リゾート・セキュリティー(Global Gaming & Resort Security)の最高経営責任者兼マネージング・ パートナーを務めている。同社はラスベガスを拠点とし「アジアで活動しているもしくは今後するつもりでいる企業に優れたセキュリティーとゲーミングに関するアドバイスを国際規模で提供する」ことを目指している。(AGB Nippon)