シーザーズ・ジャパン、親会社の不安定に潰される

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日本におけるIRライセンスを目指す国際的事業者の中で最も有力な現地活動を行っていたシーザーズ・エンターテインメント(Caesars Entertainment)は、ラスベガスにある親会社の不安定に影響され、日本市場を離脱する初の大手事業者となった。

前社長兼最高経営責任者のマーク・フリッソーラ氏(Mark Frissora)のリーダーシップの下で、シーザーズは日本で積極的に活動し、2018年が特に著名だった。シーザーズは、マカオやシンガポールなどの市場での開発チャンスを逃した唯一の大手ラスベガス事業者であり、日本でのIR誘致によりその失態を取り返す意向が明らかだった。

シーザーズのIRキャンペーンが特別だった。例えば、ジャン・ジョーンズ・ブラックハースト氏(Jan Jones Blackhurst)の努力により、シーザーズが社会的損失やギャンブル依存症の最小化に対する絶対的なコミットメントが明らかだった。今でもシーザーズと同じようにこの日本社会の懸念に真剣に向き合う事業者はいない。

良心的な方針以外に、シーザーズは日米同盟の影響を活かそうとしている米国事業者に上回られないように務め、元合衆国上院院内総務のトム・ダシュル氏(Tom Daschle)、元米通商代表のシャリーン・バルシェフスキー氏(Charlene Barshefsky)、アルミタージュ・インターナショナルのカーラ・ブー氏(Kara Bue)が率いる日本諮問委員会を設立した。

また、シーザーズ・ジャパンは人材の現地採用が積極的で、現地日本で出世が期待される若い幹部候補に目を光らせていた。

シーザーズのキャンペーンがピークに達したのは去年の9月に日本への長期的なコミットメントを強調する「100年パートナーfor Japan」を発表したときである。当時、横浜のIRデザインを描いたコンセプト映像も披露された。

しかし、結局のところ100年パートナーシップは1年も持たずに終わった。

そのたった1ヶ月後、シーザーズのラスベガスにある親会社はゴールデン・ナゲット・カジノ(Golden Nugget Casino)のオーナーであるティルマン・フェルティッタ氏(Tillman Fertitta)が持ちかけた合併の提案を拒否した。その後、フリッソーラ氏の辞任が発表され、会社の方向性が見えなくなった。今年の2月には、投資家カール・アイカーン氏(Carl Icahn)が実質的にシーザーズの掌握に動き、会社の不安定を一層悪化させた。

シーザーズの日本キャンペーンの命取りになったのは6月にエルドラード・リゾーツ(Eldorado Resorts)による買収取引だった。買収後の新しくなった会社を率いると予想れるトム・リーグ氏(Tom Reeg)はシーザーズが海外より国内の市場に焦点を当てるべきだと考えているところが大きい。最近のプレスリリースで同氏が述べたように、会社は「私たちは既存の計画とコミットメントに専念することにした」という姿勢をとっている。

有力な現地チームを集めたシーザーズ・エンターテインメントは、戦いが始まる前に戦場を退いた。(AGB Nippon)