選挙を見据えて

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日本国民のIR開発に対する不評と安倍政権の以前と比較して弱くなった立場を考えると、IR誘致が前に進むかどうか地方選挙に左右される可能性がまだ存在する。

その理由でIR誘致候補地の今後に控えている選挙予定を検討する価値がある。

長崎

長崎県は政治的な意味ではおそらく最も安全なIR候補地である。政治家の大半がIRを支持している上に最新の世論調査データによると一般県民の大半もハウステンボスでの開発に反対していないようだ。

中村法道知事は2020年2月頃までは選挙に直面しない。また、朝長則男市長、長崎県議会、佐世保市議会も2023年4月まで選挙に直面することが見込まれない。

現在のところでは、選挙の予定表がこの候補地に試練を与えることはない。

和歌山

和歌山県の事情もあまり変わらない。一般県民は長崎のよりIR開発に対する反対の声が多いようだが、現職の保守派政治家は立場を固めている。

県内のIRイニシアティブを牽引してきた仁坂吉伸知事は2022年11月まで選挙に直面しない。和歌山の尾花正啓市長も、それより少しだけ早めの2022年7月に次ぎの選挙試練がやってくる。県議会や市議会選挙は2023年4月に控えている。

大阪

大阪の指導者達は安定しているが、この選挙区の政治はいつも予想を覆す。

一つの未知の要素は大阪市と大阪府を一体化する大阪都構想である。今年の11月に住民投票が実施される可能もあり、現職の指導者達の方針に不可欠なものである。11月に望ましい結果が出なかった場合は誰も予想がつかないことになるかもしれない。

吉村洋文知事、松井一郎市長、市議会と府議会も2023年まで選挙がなく、先が安定している。

横浜

横浜市は政治事情が他より雲行きが怪しい自治体である。林文子市長は2021年に選挙に直面するが、75歳の年では出馬することすらないかもしれない。また、横浜におけるIR反対の声も大きくて、今後出馬する候補者の中に公然とIRを支持する者が出てくるかは疑問だが、そうしたところで選挙での勝利を収められるかどうかも疑問である。

安倍政権が認定申請のタイムラインを変更しない限り、林市長は横浜の申請を間に合わせる時間が残されてはいるが、市長の後任者がカジノ反対派だと申請を取り消すことにするでしょう。

来年の夏の市長選ではカジノ問題が最も重要な話題の一つ、もしくは何よりも重要な話題になるのも目に見える。

東京

東京都は現在ではIR誘致候補地ではないが、そのうち手を挙げることを予想する者もいる。例えば、グローバル・マーケット・アドバイザーズ(Global Market Advisors = GMA)の4月ブリーフはこう述べている:

「金賞だと考えられている東京都に関しては、GMAは以前から東京都がIR誘致プロセスに関わるのは『もしも』の問題ではなく『時間』の問題だと主張してきた。今年の夏に知事が再選を果たした後に発表される可能性がある。」

AGB Nipponには小池百合子知事が再選を果たした場合に突然IR誘致競争への参加を表明するかどうか分かりかねないが、可能性はゼロではないということで一応挙げておこう。

とにかく、このちょっとした概観で明らかになるのは、現時点で政治危機に対応しないといけないのはIR誘致で大ばくちを打っている横浜市だけである。(AGB Nippon)