5年以上の年月を経て、日本のIRを狙うコンソーシアムの形が少しずつ明らかになってきた。
多くの国際ゲーミング産業関係者はIR整備法にコンソーシアムの形成や日本国内のパートナー企業を持つ条件が無い事に驚きをみせていた。しかし当初から国際ゲーミング事業者は、日本という市場に対応するためには日本のパートナーの重要性と必要性を強調していた。
この点において、はじめにラスベガス・サンズ(Las Vegas Sands)が注目されていた。業界関係者の多くはサンズがIR開発の権利をえることは確実視していた。中には故シェルドン・アデルソン会長は最初から勝者でいたことまで囁かれていた。日本で個人戦として参入する企業がいるとすれば、それは他社との協力が得意とはいえないサンズであると言われていた。
だがしかし、昨年5月にサンズは日本IRの競争から離れ、残った全ての事業者はコンソーシアムと国内のパートナーを持つことにより、この個人戦の可能性は無くなった。
候補地となる4つの自治体の内、数年前の予想通りに選定が進んでいるのは大阪のみである。MGMリゾーツは勝つべきして勝ったとも言える。早期から地元に根付き、絶大な影響力を持つオリックスと組んだ時点で他を寄せ付けない状況を作りあげたと言われている。
MGMは素晴らしい戦略を最初から持っていたが、勝利の産物の価値は当初の予想よりは少ない可能性が高い。
今週、横浜市における事業者のコンソーシアムも明らかになった。ゲンティン・シンガポール(Genting Singapore)はセガサミーホールディングスと鹿島建設と組み、メルコ・リゾーツ(Melco Resorts)と大成のコンソーシアムとの一騎打ちを迎える。
ゲンティンとセガサミー側を有利とみる有識者は少なくも無いが、最終的には横浜市の行政判断になる。
地方市場をみると、和歌山県はカナダのクレアベスト(Clairvest)が参画するコンソーシアムを選んだ。いまだコンソーシアムの詳細は明らかになっていないが、話では長崎の公募で落選したコンソーシアムの一角であったコンサルファームのTTLリゾーツ関係者が主要な役割を担っていると言われている。
また、興味深い点としては数週間前に突如撤退したサンシティの提案のほうがクレベストより評価の点数が高かったことも判明した。クレアベストは次点という位置づけのはずだった。
最後に現時点で事業者が決定していないのは長崎県だが、3者が競い合っている。カジノズ・オーストリア(Casinos Austria)、NIKI&パークビュー(NIKI & Chau Fwu (Parkview)、そしてオシドリ・モヒガン(Oshidori-Mohegan)の中で、どこか有利かは判明していないが、これも近いうちに勝者が明らかになる。(AGB Nippon)