菅首相と大阪のIR

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Osaka Expo 2025

菅義偉首相の誕生は横浜のIRにとっては複雑な状況を生み出したのであれば、大阪にとっては対照的に有益ともいえる。安倍晋三前首相が辞任するのであれば、大阪としては菅氏の首相選出は願ってもない出来事である。

菅首相は、大阪のIR展望において最適な政治的距離感を持つ人物である。

横浜同様の問題が当てはまらないという意味では程よく遠く、家計を辿っても大阪とは深い関係性はなく、選挙区にも関連していない。

横浜の林文子市長のように、大阪の松井市長と吉村府知事は、菅氏の操り人形だと噂されることは全くない。

言い換えてみれば、菅首相が大阪に3つのIRライセンスの1つを取得するために動いたとしても、腐敗した自己利益の問題であると主張する観察者は少なくなるであろう。

しかし、大阪の主要政治家たちにはまぎれもなく近い部分もある。

民主党が政権を握っていた時期、菅氏は松井氏との親密な関係を築き、2012年12月に安倍内閣の官房長官に任命されてからもこの関係性は維持してきた。

菅氏は予算要求やその他の重要な問題において、大阪の政府への窓口役を担っていた。

2025年の万国博覧会の開催にしても、結果的には成功となった大阪の入札に対する政府の支援を取りまとめる主要な役割を菅氏は果たした。

また、菅首相と大阪の繋がりに関して大きな意味を持ちながら、国内外のメディアではほとんど触れられていないのが、首相選出後に唯一新設した大臣ポストは大阪万博担当大臣であった事実。この新ポストには元環境副大臣兼内閣府副大臣の井上信治氏が就任した。

大阪の主要政治家たちが最も力を入れている大阪都構想にも幸運の風もが吹いているようにみえる。

長期戦となった政治争いの結果、2回目の住民投票が今秋開催される予定であり、2015年の試みとは異なり世論調査では賛成多数に向かっている可能性が高いことを示唆している。

大阪都構想は、松井市長が率いる大阪維新の会の最も基本的な方針であり、政治的に不可能であるといわれながら達成間近な段階まできている。

住民投票が賛成多数になった場合、大阪市の24区制度を廃止し、代わりに4つの特別区を新設する。

世界博覧会と同じ年の2025年の初めから有効になる予定である。

新型コロナウイルス(Covid-19)、贈収賄スキャンダルおよび不賛成世論などがIR開発の見通しを一般的に揺らいでいる間、大阪は地元のIRが最も健全な政治体制による区域認定申請という地位を確立しようとしている。深刻な問題は残っているが、大阪にとって、菅首相の誕生は朗報である。(AGB Nippon)