菅首相と横浜のIR関係性

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日本のIR法が成立してから初めて、新首相が就任した。IR賛成派にとって、IR実施法の立法に重要な役割を果たした菅義偉氏の選出はまさに朗報であるが、菅首相の登場は横浜にとってどのように影響するのか。

菅首相が1996年以降、衆議院の座を守っている神奈川2区の選挙区は、横浜市の西区、南区、港南区で構成されている。IR候補地である山下ふ頭エリアに隣接している区域である。

ここまでは事実として、数年前から噂レベルでは、菅氏が横浜の林文子市長に影から市内のIR開発を促し、市長の政治的保護者の一人になっている。神奈川県側の政治家でさえ、林市長が少なくとも菅氏の後押しがなければ、このような大きな政策決定を下すことはできないであろうと以前我々に個人的な意見を語っている。

しかし、これまでは安倍内閣の官房長官を務めていた時代の話であり、菅首相誕生の今、状況の変化は起こるのか?

はたから見ると菅首相が権力を握ったことにより横浜IRの勢いも強力になったと考えるかもしれないがいが、現実はおそらくその逆である。首相という新たな立場では、菅首相本人と横浜市はより厳しい目で見られることになる。舞台裏から支持者をサポートすることが非常に困難になるだけでなく、菅首相が動かないまま横浜がIR区域認定を勝ち取ったとしても、疑惑や噂は後を絶たないであろう。

安倍前首相を苦しめ続ける主要な政治スキャンダルのいくつかを例にすると、森友学園問題では、学園側の信条に観念論的に賛同していた安倍夫妻のために、財務省の役人が右派の教育者に極端な低価格で公用地を売ったされている。

加計学園問題では、文部科学省の当局者が、同様の新設案件承認を凍結するという常設方針に反して、安倍首相の大学時代の親友が率先していたために新しい獣医学校の設立を不法に承認したとされている。

最近の「桜を見る会」問題では、安倍政権が税金を使い毎年恒例の社交行事として桜を見る会を開催し、後援関係者にお酒と料理を提供していたが、この行為は公職選挙法違反であったと疑われている。

安倍政権崩壊を何度か脅かしたこれらの深刻なスキャンダルの共通点は、観念論(森友学園)、個人的関係(加計)、または政治的(桜を見る会)理由は問わず、安倍首相と首相の側近は私利のために公共のリソースを使用した疑いがもたてれていること。

しかし、これらの安倍政権時代のスキャンダルは国家の全体的な権威と比較すると些細な問題であった。巨額の資金が動いたわけではない。おそらく事実であったとしても、実際に腐敗が起きていてそれらが明るみにされなかった場合、影響の範囲は広いが、国家を揺るがすほどの影響を及ばすことはなかったであろう。

対照的に、菅首相や首相の側近が今後、1兆円レベルの開発案件を不当に横浜市に与えたとされた場合、これこそが国家に影響を及ぼす莫大なスキャンダルになってしまう。

横浜の反カジノ勢力は腐敗による計画が進行中であり、菅首相がIRを故郷に持ち込むために裏で糸を引いているという考えを受け入れてから発信していくことが予想できる。数週間または数か月以内には、政治的腐敗のイメージは日本の政治的左派にも広まると予想する。

実際、菅首相は、安倍政権の比較的小さなスキャンダルの隠蔽を内閣官房長官として率いており、横浜市にIR開発を推進するための重要な役割を持っていた。この二つの点を考えると菅首相は経歴に一点の曇りもない状態ではない。菅首相が今後大きな失敗を犯すかどうかは時が経てばわかる。

政治的な「火口」が菅首相のいたるところにあり、側近と本人も含めて問題に火をつけないことも仕事となる。(AGB Nippon)