有識者は、カジノ入場料の引き下げは考慮すべきものの、日本が提案しているギャンブル依存措置は概ね「バランスの取れた」ものであるとの見方を示している。
バリエール・グループ(Groupe Lucien Barrière)のカジノマネジャー、ジョナサン・ストロック(Jonathan Strock)氏は「現時点で提案されている措置は非常に良いもの考えていますが、入場料金等の対策は予想していた以上のものになっている可能性があります」と述べている。それにもかかわらず、ストック氏は、入札申請時に「非常に緊密に」検討するとした。
コナミのシニアVPおよびチーフ・システム・プロダクト・オフィサーであるトム・スークアップ(Tom Soukup)氏は、オペレーターがギャンブル依存症に関する措置をカジノ・マネジメント・システムに結びつけて行うことが望ましいと語った。
また、スークアップ氏は、カナダやオーストラリアを例に挙げ、自己排除プレーヤー管理システム(セルフエクスクルージョン管理システム)やクールダウン期間、金銭や時間損失システムなどの措置を提案している。また、彼は、フランスとスイスでは、リゾート管理者側に1ヶ月の間に訪れる可能性のある日程および日数を申請する必要があることも併せて紹介している。
ReNeA Japanの代表取締役である菅沼正典氏は、現在提案されている6,000円の入場料が、東京ディズニーランドリゾートの入場料と1000円しか違わないことに触れ、入場料の引き下げを検討することに同意している。加えて、菅沼氏は、顧客が入場料金分の対価を得るために、オペレーターが多くの価値を創造・提供するべきだと述べた。
東洋大学の佐々木一彰助教授は、入場料だけで依存症に関する問題が解決するわけではないと主張した。佐々木氏は、ギャンブルを楽しみたい人に対して、ギャンブルそのものがどのように設計されているかを教育し、ギャンブルを娯楽としてのみ捉えることができるようアイデアを強化するために何かしらの教育対策を提供すべきだと述べた。また同氏は、カジノ管理委員会が設立される前に、カジノによる弊害を減らすことについてより多くの議論が必要であると述べた。(AGB Nippon)