日本のライセンス更新方法の問題点:資金調達への影響

日本におけるライセンス更新に関する提案は複雑で、IRプロジェクトに対する資金調達にかかるコストを高め、投資額を潜在的に削減する可能性がある。

現在の提案では、日本でのライセンス取得者は、10年間のプロジェクト開発権利と3年間のカジノライセンスを得ることができる。 開発契約の更新は、地方自治体と政府の承認を必要とする2段階のプロセスとなっている。その利権期間が終了すると、5年ごとに再承認が必要となる。また、リゾート運営が軌道にのるまでの時間を考慮すると、契約は事実上約5年間更新となる。

MGMジャパン最高経営責任者(CEO)であるエド・バワーズ(Ed Bowers)氏は、「日本のライセンス更新の仕組上、銀行側はこれを5年間のライセンスとみなすだろう。短期間であればあるほど資金調達のコストが高くなるため、この仕組みのままでは投資インセンティブが低く、投資レベルの低下が避けられない」と先日東京で開催されたジャパン・ゲーミング・コングレスで述べている 。

「事実上5年ごとに更新する必要があり、地方議会の承認を得なければならないプロジェクトに民営企業が1兆円を投資することは危険だ。」と加えた。

楽観的な視点では、IR実施法案は現在の通常国会で、または延長中に可決される予定とされている。その中で、現在はその法案の詳細について議論がなされている。ライセンスの条項、事業者が地方インフラ整備に与える利益に関する規定(水準)など、多岐にわたってその詳細が精査の対象となっている。

スペクトラム・ゲーミングの代表取締役であるフレッド・グシン(Fred Gushin)氏は地方行政に対し、以下のような警告をした。

「オペレータ―は黄金の卵を産むガチョウではない。あらゆる建設予定地にはそれぞれのインフラ整備等の必要負担条件があり、オペレーターはそれに従うことになる。しかし、地方政行政との負担の割合は両者間で協議される必要がある。」

バワーズ氏は、地方行政との良好な関係性がプロジェクトの成功にとって重要であると述べた。また、行政に対しては、法案成立のプロセスに関係者または有識者を関与させることを要請している。

「我々は強い規制から逃れることはできない」とバワーズ氏は述べた 「しかし、規制緩和を望むことが正しいとは言えない。可能な限り最善の法案を成立させるために、我々は協力したい。」(AGB Nippon)