横浜市長、「白紙」から「危機感」へ

横浜の林文子市長は2017年から採択した「白紙」のスタンスを貫いてきたが、今となっては「危機感」が横浜のIRを誘致する方針のキーワードとなっているようだ。この一転に対して賛否両論が出ている。

9月3日に開会された本会議の冒頭では、林市長は「横浜の将来への危機感からIR誘致を決断した。国家的なビッグプロジェクトであり、横浜の観光や地域経済をけん引する事業だ」と説明した。

市長はIR関連費用など2億6000万円を含む補正予算案を提出した。

毎日新聞が行ったアンケートによると、補正予算をすぐに賛成できると答えた市議会派がおらず、IR関連費用に反対を唱えるものもすでにいるという。

その一方、特に左寄りのメディアなどでは、林市長の一転の黒幕が菅義偉官房長官であると推測されている。

たとえば、安倍政権の批判家である古賀茂明は週刊朝日へ「安倍政権の大黒柱である菅義偉官房長官は、地元が横浜で、林氏の後見人と言われる。『後見人』とは聞こえが良いが、林氏は菅氏の『ポチ』だということ。林氏は菅氏の子分としてカジノを推進するしかないのに、自分の選挙のために、一時だけ慎重派を装った」と記事で書いた。

これまでは菅官房長官が林市長のIR誘致をする決断に干渉している具体的な証拠はないが、多くの人がそう推測していることが事実であり、特にカジノ反対派の意見を影響していることも事実である。(AGB Nippon)